「レオナルド・ダ・ヴィンチ 真理の扉を開く」を読む。
コンパクトながら、絵、資料豊富で、中身も簡潔ながらオーソドックス。
ダ・ヴィンチについての基本的なことが一通り分かる良書。
しかし、読んでいきながら、驚くべき発見もあった。
第一は「告知の天使」(The Angel of Annunciation)という作品だ。
この作品、ダ・ヴィンチのデッサンに基づき弟子の一人が制作した作品だそうだ。
洗礼者ヨハネとよく似た作品なのだが。
http://www.ne.jp/asahi/art/dorian/D/daVinci/daVinci.htm
なんと受胎告知しに来た天使の股間にペニスが描かれている。
しかも天使の年齢に比較して、不釣合いに大きく、なおかつ勃起している。
単に写実的に「天使は男児である」と示したいなら、わざわざ勃起した巨大なペニスをかく理由もない。
で、読み進めていって、148ページ。
>性に関するレオナルドの見解
>「性行為やそこで用いられる器官はあまりにも醜いため、容貌の美しさや、当事者たちの装飾品や、性欲を包み隠そうとする慎ましさがなければ、自然は人類を失うであろう」
で、この部分はおおよそ知っていた。
だから、ダ・ヴィンチは、性嫌悪症ないしは、内面化されたホモフォビアがあり、その理由は、若いころ、同性愛嫌疑で逮捕歴があるからでは?、と推測していた。
しかし、
>「陰茎は人間の頭脳と関係があり、時折それ自身の頭脳を持っている」
>男は陰茎を恥じるべきではなく、「祭式執行者のごとく厳かに誇示するべきである」
と、その後、書いてあった。
この箇所は驚き。
ダ・ヴィンチが性同一性障害であったとしたら、男性性器には嫌悪感がありそうなものである。
しかし、「告知の天使」は勃起し、ペニスは「誇示するべき」と。
ここからは、嫌悪感は感じられない。
ダ・ヴィンチは、女装自画像を書きながら、勃起してたのだろうか?
そうなれば、フェティシズム的トランスヴェスタイトか?
モナリザはひょっとして、下半身に勃起したペニスを隠している?
なぞは深まる。
レオナルド・ダ・ヴィンチ:真理の扉を開く (「知の再発見」双書―絵で読む世界文化史)
- 作者: アレッサンドロヴェッツォシ,高階秀爾,後藤淳一
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1998/11/10
- メディア: 単行本
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