トランスジェンダーのeGFR評価は要注意

腎機能の検査値にeGFRというものがある。日本語で「推算糸球体濾過量」。

推算、というように、実測値ではなく、推測値。

計算式に入れて、推測値を出す。

通常、クレアチニンで腎機能を評価するが、クレアチニンは筋肉からの老廃物なので、筋肉量の多い男性のほうが高値。

eGFRは、男女差、年齢、クレアチニンを数式に入れ、大体100が正常になるような式となる。

注意すべきは、男女で計算式が異なる。

具体的には、男性の計算式に、0.739をかけたものが、女性での推測値となる。

だから、たとえば男性として、100だった人が、女性として計算すると73.9が推測値となる。

 

すると例えば、男性時代に検査してeGFRが「80」で正常範囲内だった人が、戸籍変更後に女性として検査すると、女性として計算式を立てられ80×0.739となり約「59.2」となり、腎機能低下との検査結果となる。

要注意。

 

日本語で「eGFR 性同一性障害」で検索をかけたが、どこにも述べた文献なし。

英語で「eGFR transgender」で検索をかけたら、いくつか文献出てきた。

yale大学では、「transgenderでは、男性式、女性式両方で,eGFRを評価すべき」と述べていた。

日本でも、医療関係者に啓発しないと、評価値の誤読が続発する可能性あり。

 

https://www.ynhhs.org/perspectives/gender-diverse-kidney-function-test