おかまと特例法

「おかま」の定義は難しいが、女性的な男性同性愛者やMTFを含む広範な概念で、侮蔑的、ネガティブなイメージが付加されているものと言えるだろう。


ところで、性同一性障害者性別取扱特例法、115Pにはこういう記述がある。


>なお、性同一性障害については、いまだに「おかま」などと混同されたりするようなことがみられますが、性同一性障害と対比した場合、いわゆる「おかま」は、生物学的に男性であり、心理的にも自分が男性であると認識していること、すなわち、生物学的な性別と心理的な性別の不一致はないことが通常であるといわれ、また、「おかま」については、性的指向によるものや職業的利得などのためのものが多いともいわれています。


とある。
つまり、おかまを性同一性障害とは全く違う概念としている。
これは、特例法制定の運動過程において、マイナスイメージをもつ「おかま」と一線を画すための説明がされてきたためだと思われる。
この概念区別により、おかまのマイナスイメージにひきづられることなく、性同一性障害特例法は無事に制定された、といえる。


しかしながら、本来、おかま、あるいはおかま概念へのフォビア、偏見をなくすのが本筋であるにもかかわらず、おかまを切り捨てることで、特例法を制定した、という批判もされるべきものなのかもしれない。

解説 性同一性障害者性別取扱特例法

解説 性同一性障害者性別取扱特例法