手術で「女性」…刑務所も女性施設に 兵庫弁護士会勧告

朝日
http://www.asahi.com/national/update/0224/OSK201202240092.html
手術で「女性」…刑務所も女性施設に 兵庫弁護士会勧告

 戸籍上は男性だが性同一性障害があり、手術で女性の体になった受刑者が、「男性用施設に収容されているのは人権侵害」として、兵庫県弁護士会は24日、女性用施設に移すよう法務省などに勧告したと発表した。性別適合手術を受けた収容者の移送を求める勧告は全国初という。

 弁護士会によると、2007年から兵庫県加古川刑務所に収容されている受刑者(39)は、成人前から自分を女性と自覚し、20歳前後にシンガポール性別適合手術を受けた。戸籍の性別は家庭裁判所の審判で変えられるが、手続きの煩雑さなどから変更しないまま刑務所に入ったという。

 刑事収容施設の男女別は戸籍で判断されている。刑務所側は女性看守を配置するなどの配慮をしているが、頭髪は丸刈りで女性用下着を着けられず、入浴時は男性刑務官が監視しているという。白承豪(はく・しょうごう)弁護士は「収容施設の区別は、変更のハードルの高い戸籍でなく、収容者の性自認によるべきだ」と話している。


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120224-OYT1T00961.htm

性転換の受刑者を女子用施設へ…弁護士会が勧告



. 男性から女性への性別適合(性転換)手術を受け、加古川刑務所(兵庫県加古川市)に収容されている受刑者(39)が男性として処遇されているのは人権侵害にあたるとして、兵庫県弁護士会は24日、法務省と同刑務所に対し、女子用施設に移すように勧告したと発表した。勧告は23日付。


 弁護士会によると、受刑者は20歳の頃、海外で性別適合手術を受けた。その後、窃盗容疑などで逮捕、実刑判決を受けて2007年7月、同刑務所に収容された。

 同刑務所は、受刑者を性同一性障害と判断し他の受刑者と部屋を別にするなど配慮。しかし、受刑者は戸籍上、男性のため、丸刈りにされ男性用の受刑服を着用、入浴時には男性刑務官が監視しているという。

 こうしたことから受刑者は10年6月、「精神的苦痛を受けている」と弁護士会に人権救済を申し立てた。

(2012年2月24日21時24分 読売新聞)


時事
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012022400981
性転換受刑者、移送を=兵庫県弁護士会が刑務所に勧告
 性同一性障害のため男性から女性への性別適合手術を受け、加古川刑務所(兵庫県加古川市)に収容されている受刑者(39)について、兵庫県弁護士会は24日、女性用施設に収容すべきだと同刑務所に勧告した。
 同弁護士会によると、同障害の受刑者の移送を弁護士会が勧告したのは初めて。勧告に法的強制力はない。
 この受刑者は20歳前後に複数回、性別適合手術を受けた。窃盗罪などで有罪判決を受け、2007年7月、戸籍上の性別に基づき、男性として同刑務所に収容された。10年6月、「男性刑務官に監視されるなど、自分の性に反した処遇を受けている」と同弁護士会に人権救済を申し立てた。(2012/02/24-20:55)


サンケイ
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120224/waf12022421370036-n1.htm
性同一性障害の受刑者を女性用の施設へ 兵庫県弁護士会法務省などに勧告
2012.2.24 21:34
 性同一性障害のため男性から女性への性別適合手術を受けた受刑者(39)が刑務所での男性の処遇で苦痛を受けているとして、兵庫県弁護士会は24日、女性用の刑事収容施設への移送を求める勧告書を法務省などに送付したと発表した。送付は23日付。

 同会によると、性同一性障害の受刑者について、弁護士会が待遇に配慮を求めた例はあるが、女性用の刑事収容施設への移送勧告は全国初という。

 受刑者による人権救済の申し立てに基づく勧告で、受刑者は20歳前後で性別適合手術を受けたが、戸籍を変更していないため通常の刑務所に収容されている。

 平成19年7月から加古川刑務所(兵庫県加古川市)で服役中で、1カ月に1回、女性ホルモンの注射を受けさせ、入浴とトイレは他の男性受刑者と別にするなど一定の配慮をしているが、女性用の衣類を支給せず、入浴時は男性刑務官が監視しているという。

 勧告書は「受刑者の性の自認に反した処遇で精神的苦痛を生じさせている」と指摘。県弁護士会人権擁護委員長の白承豪弁護士は「戸籍の性別だけで男女別の処遇を決めるのは不合理だ」としている。


http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004839064.shtml
神戸新聞
性同一性障害受刑者「女子刑務所移送を」 県弁護士会 
 兵庫県弁護士会は24日までに、性同一性障害のため男性から女性への性別適合手術を受けた受刑者(39)について、女性施設に移送するよう加古川刑務所長(加古川市)や法務相らに勧告した。性同一性障害の受刑者をめぐっては、日弁連が2009、10年に静岡刑務所などに同様の勧告をした事例があるが、同手術を受けた受刑者に関する勧告は全国で初めて。

 同弁護士会によると、受刑者は20歳前後に同手術を受けて身体的にも「女性」となった。その後、窃盗罪などで逮捕、実刑判決を受けたが、戸籍の性別が「男性」のままだったため、07年7月に男性受刑者として加古川刑務所に収容された。

 同刑務所では月1回の女性ホルモン注射に加え、部屋や風呂を男性と別にするなどの措置を取っているが、女性用下着の着用は認めず、髪も丸刈りにされた。入浴時の監視や身体チェックは男性刑務官が行っているという。10年6月、受刑者は女性としての処遇を求めて同会に人権救済を申し立てていた。

 04年に施行された性同一性障害特例法では、同手術を施しているなどの条件で戸籍の性別変更が可能となったが、受刑者は「手続きが煩雑で難しい」と断念したという。

 勧告書では「男性との接触を強要される精神的苦痛や、性的虐待の対象となる危険がある」と指摘。「身体的特徴が女性の被収容者は戸籍にかかわらず、女性施設に移送するのが相当。個人の尊重を定めた憲法に違反している」としている。

 加古川刑務所は「法令通り戸籍に基づいて収容施設を決定し、不当はない。可能な限り配慮して処遇するよう、引き続き適切に対処したい」とコメントした。

(2012/02/24 23:59)