性分化疾患の女性が人権救済申し立て 東京弁護士会に

性分化疾患の女性が人権救済申し立て 東京弁護士会
日本経済新聞
2014/8/22 21:35
 出生時に身体上の男女の区別がつきにくい「性分化疾患」で、男性として出生届が出された関東地方の専門職の女性が22日、職場内の書類や健康保険証の性別欄に女性と記載されないのは人権侵害だとして、勤務先や日本年金機構への警告を求めて、東京弁護士会に人権救済を申し立てた。

 代理人弁護士によると、性分化疾患に関する人権救済の申し立ては全国で初めてという。

 申し立て内容によると、女性は長年女性として生活し、医師も勤務先に「女性である」との診断書を提出しているにもかかわらず、戸籍上は男性となっているため、職場内の書類で性別欄を空白とされたり統計資料に男性としてカウントされたりしたという。健康保険証の性別欄も男性となっており、全国健康保険協会東京支部日本年金機構に変更を申し入れたが聞き入れられなかったという。

 性分化疾患で戸籍訂正したケースは過去にもあるが「検査などの負担が大きく、そこまで本人に強いる合理性はない」(代理人の中川重徳弁護士)として人権救済を申し立てた。申し立て後に都内で記者会見した女性は「男女で正常値が異なる健康診断で結果を正しく活用できないなどの実害もある」と訴えた。

 性分化疾患は、染色体やホルモンの異常が原因で、出生時に性別が正しく判断されなかったり機能が不全となったりする疾患の総称。患者数は全国で約6500人と推定される。身体的な性別と心理的な性別が一致しない性同一性障害とは異なるが、出生届を出す際に性別判定を誤るケースがある。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140823/k10014014231000.html
NHK

8月23日 0時15分

性分化疾患」の女性 人権救済申し立て



生まれたときに性別を判定するのが難しい症状などがある「性分化疾患」という病気のため戸籍上は男性となっている女性が勤め先などから不当な扱いを受けたと主張して東京弁護士会に人権救済を申し立てました。

人権救済を申し立てたのは、関東地方に住む女性です。
代理人の弁護士によりますとこの女性は生まれたときに体の特徴から性別の判定が難しいなどの症状がある「性分化疾患」という病気のため、戸籍上の性別は男性となっているということです。
これまで女性として長年生活し、就職もしましたが、勤め先の書類にはこの女性の性別を示す欄が空白にされているほか、健康保険証には「男性」と記載されているということです。
こうした欄に「女性」と表記するよう求めましたが、勤め先などが「戸籍が男性である以上、受け入れられない」として応じなかったため、人権救済を申し立てたということです。
今回の申し立てについて女性は「戸籍を訂正するには詳細な検査や手続きが必要で、負担が大きい。性別を空欄にするのは侮辱的な行為だと思うので、勤め先などはもっと柔軟な対応をしてほしい」と話しています。


中川重徳
http://www.ne.jp/asahi/law/suwanomori/profile/profile.html


難病情報センター 内分泌疾患分野 性分化疾患(平成24年度)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/3304


性分化異常症の実態把握と治療指針作成(2009年度 総括)
http://research-er.jp/projects/view/134218