性同一性障害:受刑者施設「身体性差で判断を」 兵庫県弁護士会、全国初勧告

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120225dde041040017000c.html
性同一性障害:受刑者施設「身体性差で判断を」 兵庫県弁護士会、全国初勧告
 性同一性障害性別適合手術を受けた受刑者を巡り、兵庫県弁護士会(笹野哲郎会長)は24日、戸籍にかかわらず身体的性差に応じた収容施設に移送すべきだとして、小川敏夫法相らに対し、人権救済を勧告したと発表した。全国初という。

 勧告は23日付。同会によると、救済を申し立てたのは、同県加古川市加古川刑務所で服役中の受刑者(39)。戸籍上は男性だが性同一性障害のため性別適合手術を受け、20歳ごろから身体的には女性としての特徴を備えていた。しかし、刑務所ではブラジャーの着用を認められず、男性職員が入浴の監視をするなど精神的苦痛を受けたと訴えていた。

 法務省矯正局は昨年6月、全国の刑務所などに、入浴や身体検査などで配慮する指針を示した。一方で「収容施設自体は戸籍上の性別で分けるのが基本」(同局成人矯正課)との姿勢は変えていない。

 勧告書では「究極的には身体的性差を基準とすべきだ」と女子刑務所への移送を求めた。【渡辺暢】

毎日新聞 2012年2月25日 東京夕刊