読者の声 性同一性障害「転換」すべて解決しない

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読者の声 性同一性障害「転換」すべて解決しない
産経新聞 3月3日(木)7時59分配信

【ボーダー その線を越える時】

 「男」と「女」の境界をめぐる多様な性の現状を報告する連載「ボーダー その線を越える時」(2月20〜22、25〜27日付)に、多くの読者からメールなどで意見をいただいた。

 ▼本来の性で産めたら

 連載6回のうち4回は、心と体の性別が一致しない性同一性障害について報告した。

 《病気として診断された以上、治療は必要だと思います。それでも転換(性別適合手術)したからといって本人の問題がすべてクリアになるわけではなく、厳しい人生が待っていることも確かです》

 女性医師はこう指摘して次のように続けた。《私の子供が性同一性障害なら転換手術も拒否できないでしょう。本人がそれで少しでも楽になれるなら、と自分を納得させます。そして、本来の性で産んであげられなかった自分を責め続けるでしょう。ただし、愛した男性がそうだったら、戸惑うと思います》

 体が男性で心が女性という性同一性障害の読者からは《社会の人々はもっと、性というものの多様性や、それ以前に「性とは何か」という根本的な命題に対して考え直さなければならない時期になっていると強く感じます》と訴えた。

 一方、健康管理士一般指導員の男性は《性同一性障害の治療として「体の性に心の性を合わせる治療」が好ましいことは明らかです。性別適合手術は本来の治療の方向性である「体の性に心の性を合わせる」という治療を断念させる「有害な治療法」であると思います》と強調した。

 ■セックス無関心 男女逆転は少子化遠因に

 ▼自ら告白したくない

 連載では、セックスに対して無関心だったり、嫌悪感を抱いたりする若年男性が多いことにも触れた。

 高校教諭の男性(51)は《男子がおとなしくなってきたのとは対照的に、女子が活発になってきました。恋愛にもセックスにも前向きな女子が目立つようになりました。かつては男子が優位であった性体験率も、女子に逆転されてしまいました。女子が男子化し男子が女子化しているのです。未婚率の上昇や晩婚化、ひいては少子化の遠因になるのではと懸念しています》と、教育現場で自身が感じてきたことを記した。

 占い師の女性は《セックスどころか恋愛、結婚に対して消極的な人が増えていると感じます。そうした相談がとても多い。恋愛は片思いばかり。相手が好きだけど、告白は自分からしたくない。告白をして今の関係が壊れるのが怖い。関係が変わることを恐れていては、2人の関係も進まないと思うのですが…》

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 今後もさまざまなボーダーを紙面で取り上げていきます。意見や感想、体験などをお寄せください。