で、分界条床核(BSTc)は。

Saabは、破綻したけど。
それはともかく、Swaabの続きで。
「INAH3は去勢による縮小する」可能性があるとしたら、やはり気になるのは、BSTcの話。
で論文を再チェック。
(以下で全文入手可能)
http://www.transgendercare.com/medical/hormonal/brain_sex_diff.htm


MTFTSで、去勢してないのは一例だけ。
この1例は、去勢済みMTFとほぼ同様のBSTcのサイズで、すなわち女性並。
そのほかの去勢済みMTFは、去勢後の年数は不明。


MTFでない対照男性群で去勢済みは2名。
これは去勢後1か月と3か月。
2つとも男性平均よりやや大きいぐらい。


で、結論的には、INAH3の研究のように、去勢後数年以上たったものがないので、なんともいえない。
つまり、「BSTcは去勢後数年たつと縮小する」という可能性も残るけど、それを積極的に支持するデータもない。
むしろ、1例だけではあるが、去勢してないMTFのBSTは、小さかったので、どちらかというと、「gender identityと関連する」という推論の方が妥当か。


はっきりさせるには、「去勢、ホルモン治療してないMTF」「去勢後数年たつ対照男性」のデータが多数ほしいところだが、死後脳だけにそう簡単にはできない研究か。