2006.6.7のit’s me様のご教示のように
>浅野温子がMTF役を演るドラマ『薔薇の微笑〜愛すれど心哀しく』だそうです。(夏樹静子の『黒白の旅路』が原作。7月4日日午後9時日テレ系)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060610-00000041-sph-ent&kz=ent
調べたところ、「薔薇の微笑」とは、千一夜物語の「薔薇の微笑みのファリザード」に由来するのかな。
http://www2.odn.ne.jp/den4ro/gu/arasuji01.html
ファリザードは願いがかなうがゆえに、逆に苦しみを招く・・・。
ふむふむ。
ついでに「薔薇の微笑みのファリザード」の次の物語は、「カマールと達者なハリマとの物語」というらしい。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4003278100.html
どんな物語なのかちょっと気になる。
それはさておき、原作の『黒白の旅路』を読む。
1975年に書かれた本であるが、「ジョンズ・ホプキンズ」とか「優生保護法違反の有罪判決」とかも出てきて、さすがによく調べている。
しかし、事件を解く鍵が、性転換により過去を隠すこととか、性転換者の持つ妖しい魅力、と言うのはいかにもベタ。
性転換者が犯人と言うのは、ステレオタイプでけしからんという気もするが。
とはいうものの、ワイド劇場的には、犯人というのは大体、愛憎を深くかかえ、人間の業を背負った美人女性なので、そういった点では、MTFが犯人と言うのは、悪いことでもないのかもしれないが。
あと主人公の女子大生が、男装してうろうろするので、テレビ的には、遠藤久美子の男装姿に萌え、ということか。
最後、この小説読んで思い出したのは、むかし、自民党の性同一性障害勉強会で、佐々木知子参議院議員(現在は弁護士)が、「戸籍の性別変更を認めたら、犯罪者が過去を隠すために性別変更をするのではないか」と発言したこと。
そのときは「さすが検事出身、頭が固い」と思いつつ、
「犯罪者が過去を隠すために、わざわざ精神科に通院して詳細に生活史を語ったり、家庭裁判所で裁判官の審問を受けると言うのは考えにくいのでは」
と即座に反論したんだけど。
しかし、今から考えると、佐々木知子先生は、「松木麗」と言うペンネームで活躍する、ミステリー作家でもあったので、ついつい、そういう発想になったんだろうなあ。
- 作者: 夏樹静子
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2005/01
- メディア: 文庫
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