セックスをすると頭が良くなるか

某テレビ局より
「セックスをすると頭が良くなるというのは本当か」
という問い合わせ。
当然テレビ的には、

「そうだ」
という医学的答えを期待しているらしい。
だが、そういう気もするし、そうでない気もする。
あわてて、とりあえず調べる。
インターネット上で検索すると、日本語では


404 Page Not Found. - GMOインターネットのサイトがネタ元と思われるコピペばかり。
というわけで私もぱくってメモ。


>この項は、北村容子先生の「女医の打ち明け話」(永岡書店)からの
紹介です。

知能指数の高い女性ほどセックスが好き。
セックスをするたびに頭が良くなる。
肉体労働者より頭脳労働者が強い。

 

以下、同書からの引用です。

ドイツのマシアス・ブンダーラインという医者が、
400人以上の女性を調査したところ、
知能指数の高い女性ほどセックスが大好きだったという統計結果が
出たのです。

しかも、女性にフェラチオの経験を尋ねてみると、高校卒の女性は
52%、大学卒の女性は72%が、イエスと答えたという調査結果
もあります。
また、男性の場合、
セックスをするたびに頭がよくなっていくという報告もあります。

セックスによって増える男性のホルモンは、
視角・識別能力を増進するということが
ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」という
アメリカの医学専門の雑誌の研究で証明されています。

その理由として考えられるのは、
セックスは生殖器で行われるものだが、
実際に快感をうけるのは大脳だということです。
つまり、セックスは大脳を刺激してくれるわけで、
脳が活性化するということになります。

知能指数の高い女性がセックスが好きだというのは、
大脳の反応が敏感だからだと分析しています。
また、同誌によると、肉体労働者と頭脳労働者を比べてみると、
性欲から勃起力、性交回数など、あらゆる点で頭脳労働者の方が、
肉体労働者を上回っていたといいます。

もちろん、肉体労働者は、普段から体を酷使しているので疲れて
いるということも考えられるのですが・・・


コピペ以上。
これだけだとあんまりなので、

データブック NHK日本人の性行動・性意識

データブック NHK日本人の性行動・性意識

のデータも新たにメモ。


高学歴(高専・短大卒以上)と、非高学歴群の比較。


1年間でのパートナーとのセックス回数、5回以下
男・非高 47.8%、男・高 26.1%
女・非高 50.5%、女・高 20.9%


パートナーとのセックスの時間、15分未満
男・非高 45.4%、男・高 27.5%
女・非高 54.1%、女・高 51.2%


というわけで日本でも
「高学歴のもののほうが、セックスの回数・時間ともに多い」
ということは言える。
だが、これは
「頭の良い人はセックスが好き」
の証明にはなるかもしれないが
「セックスをすると頭が良くなる」
ことの証明にはならない。


あと
http://66.102.7.104/search?q=cache:EezuycS1r1UJ:www.cerebromente.org.br/n16/opiniao/seven-ways3.htm+IQ+sexual+activity&hl=ja
ここにはこんなことが書いてあった。

>5. Make Love For Your Brain

In a series of studies by Winnifred B. Cutler, PhD and colleagues at the University of Pennsylvania and later at Stanford University it was found that regular sexual contact had an important impact on physical and emotional well being of women. Sexual contact with a partner at least once a week led to more fertile, regular menstrual cycles, shorter menses, delayed menopause, increased estrogen levels, and delayed aging. Brain imaging studies at UCLA have shown that decreased estrogen levels are associated with overall decreased brain activity and poor memory. Enhancing estrogen levels for women through regular sexual activity enhances overall brain activity and improves memory.

In Dr. Cutler's study the occurrence of orgasm was not as important as the fact that sex was with another person. Intimacy and emotional bonding may be the most influential factors in the positive aspects of sex. As a psychiatrist I have seen many people withhold sex as a way to show hurt, anger, or disappointment. Dr. Cutler's research suggests that this is self-defeating behavior. The more you withhold the worse it may be for you.

Appropriate sex is one of the keys to the brain's fountain of youth.

以下試訳

脳のためにはセックスせよ
Winnifred B. Cutlerらの研究では、,定期的な性交渉は、女性の身体的情動的健康のために重要な役割を果たす。パートナーと少なくとも週1回は性交渉を持つことで、より妊娠しやすくなり、規則的な月経周期となり、月経期間は短縮し、閉経は遅くなり、エスロゲンは増加し、老化も遅くなる。UCLAでの脳の画像調査によれば、エスロゲン減少は、脳活動全般の低下と記憶力低下に関連がある。定期的な性活動による、脳活動全般と記憶力を改善する。

Cutlerの研究ではオルガズムの有無は、セックスそのものほどは重要ではなかった。親密さと情動的結びつきがセックスの最も重要なプラス要因と思われる。わたしは精神科医として、相手を傷つけようとしたり、怒りや落胆を表現するためにセックスをしない人を多く見てきた。Cutlerの研究は、こういった行動は自分のためにならないことを示している。セックスをしなければしないほど、自分自身の害になるだろう。

適度なセックスは、脳の若さを保つために大切なのだ。

試訳以上。


これも元の論文を見ていないので、なんともいえないが、妥当な意見に見える。
ただ、これも
「セックスをすると頭が良くなる」
という話とは微妙に違うと思う。
これは、
「セックスをすることで頭が悪くなることや、脳の老化を防ぐことができる」
という話だと思う。


というわけで調べは全然足りないが、今のところいえそうなこととして、


1. 高学歴者はセックスの回数、時間が多い。
2. セックスをすれば脳の老化予防になる。


ということか。