性同一性障害.GID名前変更認めて 県出身当事者、最高裁に特別抗告 /愛媛

改名で最高裁まで行くとは・・
使用実績1年+診断書で、大体認められると思うが。
時々ダメなこともあるので、争うより、ちょっと待って再申し立ての方がよかった気もする。
でも、
>302件の名前の変更が申し立てられ、うち24件が却下、64件が取り下げられた。

とは、松山家裁はハードル高い気がする。
厳しい裁判官がいるのかな。
いずれにせよ、現在は個々のケースで決定されているが、全国統一基準があった方が良いのでは。


http://mainichi.jp/articles/20170325/ddl/k38/040/593000c
性同一性障害.
GID名前変更認めて 県出身当事者、最高裁に特別抗告 /愛媛

毎日新聞2017年3月25日 地方版


 体と心の性別が一致しない性同一性障害GID)に悩み、戸籍法に基づく名前の変更申請を松山家裁に申し立てたが、家裁に続き高松高裁でも認められず、最高裁に特別抗告を申し立てた県出身の当事者がいる。同様の申し立てで、最高裁の判断は初めてになるとみられる。【黒川優】


 横浜市在住の恵子さん(仮名・26歳)。松山市に在住していた昨年10月、戸籍上の名前から「子」を取るよう家裁に申し立てた。恵子さんは関西地方で毎日新聞の取材に応じた。

 恵子さんは、松山市の高校を卒業後に松山市内で就職したが、女性事務員用のスカートの制服を着用することが受け入れられず、1年半で退職。その後、GIDとの診断を受けた。

 再就職先では自身のGIDを公表し、通称名の「恵(けい)」と名乗ることが認められた。ひと目で女性と分かる本名と、短髪やズボンなど男性に近い外見とのギャップのせいで、病院や飛行機内で名前を入念に確認されることがしばしばあり、大きな苦痛だったという。一方で健康を害することが怖く、ホルモン治療には踏み出せずにいた。



 再就職先で1年以上通称名を使い続けた後の昨年10月、松山家裁に名前の変更を申し立てた。その後、呼び出されて家裁に出向くと、対応した女性職員から、通称名の使用期間が短いことやホルモン治療をしていないことなどを理由に「名前の変更によって社会的な混乱を招く可能性がある」と、申請の取り下げを求められた。

 「裁判官にも会わせてもらえず、審理もされずに突き返されるのはおかしい」。恵子さんは手渡された取り下げ書に判を押さず、愛媛弁護士会の弁護士を通じて翌月、再度申し立てた。しかし却下。即時抗告したが、それも今年2月、高松高裁で「名を変更する正当な事由はない」として却下された。

 3月1日、恵子さんは「正当な事由を認めないことは、自己の認識する性と一致する名を名乗る権利を侵害し、憲法13条の定める『幸福追求に対する国民の権利』に反する」として、最高裁に特別抗告した。

 恵子さんは言う。「1年とはいえ会社でもプライベートでも『恵』で通用しているのに……。今後、本名で呼ばれ続ける苦痛から裁判所は救ってくれないということなのか」

 その上で、「例えホルモン治療や性転換手術をしても、きっと周囲は自分のことを完全な『男』としては見ない。不完全な男になるよりは、どちらでもない『トランスジェンダー』として、新しいスタイルをつくっていきたい。ただそのうえで、『子』が付く本名はどうしても受け入れられない」と涙を浮かべながら話した。

   ◇

 松山家裁によると、同家裁には2011〜15年の5年間で302件の名前の変更が申し立てられ、うち24件が却下、64件が取り下げられた。恵子さんの代理人弁護士は「性的マイノリティーに対する理解が乏しいことを残念に思う」と話した。

使用実績で認められることも

 GIDを理由として戸籍上の名前を通称名に変更することは、一定期間以上の「使用実績」があれば認められることもある。男性名から女性名への名前の変更を札幌家裁苫小牧支部に申し立てた当事者が、使用実績を証明する郵便物などを提出しなかったが、診断書のみを根拠に変更を認められた2004年の例もある。

 09年には、男性として生活し、女性と結婚もした関西地方在住の当事者が、GIDを理由に男性名から女性名への変更を申し立てた。家裁に却下されたが、即時抗告審で大阪高裁は「名の変更によって職場や社会生活に混乱は生じない」と判断、申請は認められた。

 10年には、未成年の子を持つ当事者が男性名から女性名への変更を申し立て、通称名の使用実績が9カ月と短かったことから家裁では却下されたが、高松高裁では一転して判断が覆り、名前の変更が認められている。
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