憂楽帳:少数者の衆院選

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憂楽帳:少数者の衆院選

毎日新聞 2012年12月07日 13時10分


 性的少数者の人権支援NPO「レインボープライド愛媛」が、衆院選で実施した各党へのアンケート結果をウェブサイト(http://rainbowpride‐ehime.org/)で公表した。男性同性愛者のエディ代表(活動名)は「よくも悪くも、今回ほど各党が鮮明に姿勢を打ち出した選挙はなかった」と驚く。

 例えば、性的少数者に関する人権政策。多くの党が「積極的な啓発や施策が必要」と答える中、自民党性同一性障害については必要性を認めるが、「同性愛者へは必要ない」とにべもない。一方、日本維新の会社民党は、同性同士の婚姻も認める立場だ。

 自民党は一見、同性愛者に冷たいと映るが、保守回帰への風潮が強まる中、旧来型の男女観や家族観が十分に支持されうる、との見方もできる。

 「これまで私たちの存在は軽視され、質問に対する明確な答えは少なかった」というエディ代表にとって、今選挙は−−。「冷たい回答には傷付きもするが、やっと目が向けられ、選択の手がかりが与えられたのだ、と前向きに受け止めたい」【丹野恒一】