GID学会シンポジウムの討論点1.

ずらっとならんだGID学会シンポジウム。
せっかくなので、私の視点からの討論点というか見所というか。


今日は
GID診療の健康保険適用について」
で。


現在、身体治療の保険適用は認められていないが。
まあ、GID医療にかかわるものや当事者では、GIDの身体治療の保険適用が、この先、認めれるとしたら、総論としては賛成だと思う。
だが、各論的には、意見が分かれうる。


ポイントは「どのような場合に保険適用とすべきか」。
すなわち、治療としての妥当性をどう判断するか。


ひとつの案としては「ガイドラインにそっている場合」。
ただ、何を持ってガイドラインに沿っているかの判断は難しい。
特定の医療機関だけ、とすると、
「ほかは、ガイドラインに沿ってないのか」
ということにもなる。
また、下手をすれば、ほかの医療機関は「治療の妥当性がないので、特例法も認められない」なんていう判断になる恐れもないではない。


もうひとつの案としては「保険病名に性同一性障害とついていれば」
まあ、多くの病気の保険適用がこのパターンなので、妥当にも思える。
しかし、この場合、治療の必要や適応がないものにもむやみに身体治療が行われる恐れがある。
たとえば、生活保護で、SRSを希望すれば、個人負担ゼロなので、十分な検討なく、あっという間に手術が行われてしまう、なんというおそれもなくはない。


そんなこんなで、どのあたりに落としどころがあるのか、考えると難しい。