性同一性障害、専門医創設を決定 学会、医療の質を高める

http://www.47news.jp/CN/201503/CN2015032201001454.html
性同一性障害、専門医創設を決定 学会、医療の質を高める
 心と体の性が一致しない「性同一性障害GID)」の学会は22日、大阪府立大(堺市)で理事会を開催し、専門知識を持つ医師を養成するため、研修を経て専門医を認定する制度を創設することを正式に決めた。

 性別変更するための条件となる性別適合手術に健康保険が適用されない現状や、術後の後遺症などトラブルが起きていることから、医療の質を高めるのが狙い。GID学会理事長の中塚幹也岡山大教授は正式決定後「保険適用を目指し、安心して医療を受けてもらえるようにする」と話した。

 同学会によると、専門知識習得の研修システムを導入し、試験を通じて専門医を認定していく方針。

2015/03/22 16:56 【共同通信


産経west
2015.3.22 05:00更新

性同一性障害の専門医育成 トラブル防止へ学会が認定制度創設
心と体の性が一致しない「性同一性障害GID)」の専門知識を持つ医師を養成するため、GID学会が専門医の認定制度を創設することが21日、関係者への取材で分かった。 2004年に性別変更を認める特例法が施行されて以降、性別適合手術を受け性別を変えた人は年々増えており、14年末までに5千人以上となった。医療の質を高めてトラブルを防ぎ、適合手術の保険適用を目指す初の制度で、大阪で22日開かれる理事会での審議を経て決定する見通し。 同学会によると、現在は性別適合手術に保険適用が認められておらず、費用の安いタイなど海外の病院や設備の乏しい国内のクリニックなどで手術を受ける人も多く、術後の後遺症などトラブルにつながるケースもある。また医師側にとっても、失敗のリスクを懸念し、これまで裾野が広がらなかった。

 こうした問題を受け専門医を養成することにしたもので、今後数年かけて研修内容や認定基準を整備し、GIDに携わる医師を増やす方針という。

 関係者によると、認定を受けるには、GIDに関する論文や講演など具体的な業績があることが条件。その上で数回の研修を実施し、ホルモン療法や手術など医療面での専門知識を習得するほか、GIDの子どもの学校生活の送り方や地域での支援態勢の在り方についても身に付けてもらう。

 同学会には約千人の会員がおり、当面は学会の理事らが先行して研修を受け、暫定的に専門医となる計画。

 理事長の中塚幹也岡山大教授は「しっかりとした医師が適切な治療をするというシステムができれば、保険適用にもつながる」と話す。