「オッパイをとったカレシ。−約束」

「オッパイをとったカレシ。−約束」拝読。
あらためて芹沢 由紀子先生のすごさに感服。
まず漫画家だから当たり前ではあるが、絵が上手い。
登場人物のFTMMTFは美男美女だが、確かにFTMMTFっぽい。


また、人物の描写も実に今日的でリアル。
主人公のFTMの元カノがちょっとBPD的だったり。
主人公のFTMは胸オペ程度しか望んでないのに、まわりのSRS派にあおられそうになったり。
さすがに、実に細かいところまで、よく知ってるなあ、と感服。
後半のストーリー展開はやや強引だけど、結末的にもいい感じ。


2002年の前作、「オッパイをとったカレシ。」が鶴本直的とすれば、
2010年の本作、「オッパイをとったカレシ。−約束」はラスフレのルカ的ともいうべきか。


あれから、8年、芹沢先生のトランスセクシャリズムからトランスジェンダリズムへの思索の深まりが楽しめる1冊。

オッパイをとったカレシ。-約束- (KC デザート)

オッパイをとったカレシ。-約束- (KC デザート)