専門外なのでどこまで議論に耐えられるか不安ですが。
MTFのホルモン療法、最近の英語文献では、17βエストラジオールが第一選択薬でプレマリンはもはや使われていない。
Endocrine Treatment of Transsexual Persons: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19509099
http://www.endo-society.org/_MDDocReviewFiles/Transgender%20Guideline%20(1st%20Draft%2011.17.08).pdf
Endocrine Therapy for Transgender Adults in British Columbia
http://www.vch.ca/transhealth/resources/library/tcpdocs/guidelines-endocrine.pdf
Principles of Transgender Medicine and Surgery
この3文献では、いずれもエストロゲンとしては、17βエストラジオールを推奨し、40才以上や喫煙者というハイリスク者は、経皮剤使用を推奨し、そうでなければ経口剤も可という記述。
いまだに日本で、プレマリンが主流の理由は。
1. 1990年代に、当時の英語文献が紹介され、プレマリン使用が流布したが、最近の英語文献はあまり知られていない。
2. ジュリナがでるまで、日本では経口の17βエストラジオール剤がなかった。
3. プレマリンあるいはエストロモンは、安価で個人輸入可能。
あたりが理由か。
あとkuborie様のレスとして。
>○プレオペMTFにとっては、ホルモン療法における第一の目的は、薬理的な去勢と認識。つまり、薬理的な去勢が十分に行われているかどうか判断するために、血中のエストロゲンの検査よりもテストステロン・フリーテストステロンのそれが重要と認識。
MTXでない限り、去勢だけでなく、女性化も重要では。エストラジオールかテストステロンかの二者択一ではなく、両方できるのだから両方検査すべきでは。
○「血中エストラジオール測定は効果判定のため。」の「効果」は、エストロゲンレセプターの個人差によって左右されうる?
そうだと思います。
薬剤投与→血中濃度→感受性により効果違う
という3段階では。
○薬理的去勢が十分に行われている条件下、つまりは、エストロゲンが十分に存在する条件下においては、既に「効果」も得られていると認識。
エストロゲン量が十分でもアンドロゲン抑制が不十分な場合もあり。
○睾丸が存在しないポストオペMTFにとっては、血中のエストロゲン濃度のモニタリングは有効。
同感。
○先人による死屍累々な「人体実験」は価値あるもの。特段の支障をきたさないかぎり「枯れた」手段をfirst choiceとしていいのでは。
海外の研究では、これまでの経験の蓄積をふまえた上で、プレマリンでなく17βエストラジオールををfirst choiceとしている。
○もちろん新しい可能性の考察も重要。ブログ等での公表も重要。
可能性というより、海外においてはすでに治療実績あり。
○入手性、コスト面は重要。
その通りだと思いますが、医者が処方する場合は、それぞれの処方のメリットデメリットを十分に伝える義務があると思います。
Principles of Transgender Medicine and Surgery (Human Sexuality (Hardcover))
- 作者: Randi Ettner,Stan Monstrey,Evan Eyler
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