「プリンセス・トヨトミ」拝読。
登場人物に性同一性障害の人がいるらしいと聞き、読み出した。
すると男子中学生の大輔が「明日からセーラー服で登校する」と言って、登校するという展開。
しかし、大輔は自分のことを「ぼく」と呼んでいて、「これだから素人は困る、MTFなら自分をぼくと呼ぶわけがない」とぶつぶつ言いながら読んでたら。
大輔は上の名前が真田。すなわち「真田大輔」。
真田ダイスケといえば、真田大助、つまり真田幸村の息子の名ではないか。
びっくりして読み進めると、大輔の女友達の名前は「橋場(ハシバ)茶子」。
で、東京からは、「松平」がやってくるし。
ほかにも、「長宗我部」とか「蜂須賀」とか出てくるし。
ここにきて、この小説が大阪夏の陣のパロディであることがわかってきた。
で、戦国マニアとしては大変楽しく読ませてもらった。
そこで、大輔のセーラー服について解釈すると。
セーラー服=女子の服=赤色の服=真田の赤備え、という図式。
すなわち、大輔が学校にセーラー服で登校していく姿は、真田隊が大阪夏の陣で、赤備えで徳川本陣へと突っ込んでいく姿に重なる次第である。
あとは、大阪も大輔も、外面とは別に秘められた内面に真の姿があるという重なり。
- 作者: 万城目学
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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