セカンドはちょっと苦手かも

セカンドオピニオンを出すのは、ファーストオピニオンを追認するだけだから、精神科医は楽なのでは?、と思われるかもしれないが、個人的にはちょっと、セカンドは苦手。


その理由。
1. 診断にバイアスがかかりやすい。
セカンドの場合、ファーストで「性同一性障害」とすでに診断されているので、深いことを考えずに、ついそのまま診断してしまいがち。
「なんかおかしいな、」と感じながらも、そのまま、診療を重ねて、しばらくたって、詳しく話を聞いていくと、実は幻聴もあって、なんてこともたまにある。


2. 前の医者の治療をスタンダードだと思われる。
最初にかかった医者の診療スタイルを標準と思い、こちらの診療スタイルを異端だと思われることもあり。
例1:前医は、主として臨床心理士が50分のカウンセリング。そのため、こちらがそれより短く診療を終えると「もう終わるんですか」と納得の行かない様子。
例2:前医では、隔週で1年以上通院し続けてやっと診断。そのため、こちらが5-6回の通院で、診断できる(ただし、RLE十分、周囲の理解十分、メンタルヘルス良好のケース)と答えたら、手抜きのいい加減な診断に思われたりする。


3. すぐに身体治療に進めると思っている。
RLE不十分、周囲の理解不十分、メンタルヘルス不良の場合なんかで、身体治療はまだ時期尚早では、というケースでも、前医ですでに、OKが出ていると、セカンドでブレーキをかけるのに一苦労する。


まあ、こっちがファーストの場合、次の先生が同じように困てることもあろうから、お互い様だけど。