「明治の女子留学生―最初に海を渡った五人の少女」拝読。
実に面白かった。
もともと、最近ありがちな、半年くらいイタリアとかフランスにプチ留学して、日本に帰国して、ガーデンニングとか、アロマテラピーとかの教室を開く、いんちきくさいやつと同様に津田梅子のことを思い込んでた。
つまりどっかの金持ちのお嬢さんが、半年くらいちょっと海外に行って、それで「英語ができます」と知ったかぶって、津田塾を建てたくらいに思っていた。
ところが全然違い、6歳の時、本人の意思とは関係なく、国費留学生としてアメリカに送られて。行きの船では、洋食が合わず、泣きながら持参の和菓子を食べて。アメリカには結局、10年在住。日本に帰国したときは英語しかしゃべれず。現在の帰国子女に通じるアイデンティティ・クライシス。さらに、帰国後は特に政府に優遇されるわけでもなく。それでも「国費でアメリカで勉強させてもらった以上」と、懸命に国のために尽くそうとし。そして、苦労の末に津田塾大学設立。
実に立派な人生だった。
昔の人は税金で海外に行ったら、立派に勤めを果たしたのだな、と思った。
明治の女子留学生―最初に海を渡った五人の少女 (平凡社新書)
- 作者: 寺沢龍
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2009/01/01
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