「性と暴力のアメリカ」

「性と暴力のアメリカ」を読む。

性と暴力のアメリカ―理念先行国家の矛盾と苦悶 (中公新書)

性と暴力のアメリカ―理念先行国家の矛盾と苦悶 (中公新書)

「性」と「暴力」の二つの観点から、アメリカを読み解いていく。
明快で、視野が広く実に面白い。


そもそも、アメリカ開拓は「処女地」の開拓だったから、まさにそれはセックスであり暴力のイメージと重なるのだと、じつにわかりやすい。


その後も同性愛の話やら、中絶論争の話やら、性的虐待の話やら、目からうろこの解説であった。


以下メモ。


30p
バゲリー:buggery:同性愛を意味する。「忌まわしい異端」という意味。


41p
ミシジネーション:miscegenation:白人と黒人の間の人種混交や性的接触を意味する。


81p
リンチ:チャールズ・リンチという人名に由来。彼は自警団を組織し、犯人を処罰。
共同体の安全を守るため、「疑わしきは罰する」。
リンチの精神は、現在のアメリカの戦争の仕方にも通じる。