性同一性障害をめぐる法的状況と課題

ジュリスト 2008.10.1号(NO.1364) 2-8P
棚村政行 性同一性障害をめぐる法的状況と課題 
http://www.yuhikaku.co.jp/jurist/2008/20081001.shtml

>特例法の各要件の検討と今後の課題


>もっとも医療同意年齢とも関連するため、本人の自己決定の尊重の観点から、15~16歳になれば可能としてもよいように思われる。


>また、子の福祉や利益は、むしろ、しっかりとした親子関係が形成されることによって実現されるもので、形式的な父や母の存在ではない。さらに、子どもたちは現実の社会的性別の親を見て行動しており、戸籍の性別によりほとんど何の影響も受けることはない。
>小無し要件は、撤廃されてもよいが、性別変更により関係者の利益が害されないことという消極的要件を課して、家庭裁判所が性別変更の審判をする際に、子の意見を聴取した上で総合的に判断すればよい。未成年の子でもすでに受け入れている場合にはとくに問題はないであろう。


>厳密に言えば、MFTは


>しかし、性同一性障害では性器に関する手術を希望しないケース、ホルモン療法や精神療法のみを希望するケースなど多様なケースが考えられ、これらのケースでは性別変更は認められないことになってしまう。生殖能力喪失要件と併せて、日本でも、今後は外性器等の変更要件まで求めるかどうかが論じなければならない。