大人になるための社会科入門

「大人になるための社会科入門」拝読。
乙武さんが社会のさまざまな問題に対して、考えを記したり、関係者に会ったりしたのをまとめたもの。


その中に、性同一性障害の項目もある。
杉山文野君のことなどを中心に論じているが、特に「こうすべきだ」と激しく主張する、というより、身体、心、社会の関係など、あれやこれや考えながら書いている。
結論は出ないのが結論みたいな。


あと、この本にも出ている話だが、虎井さんの無人島理論を誤解してたことに気がついた。
これまでは
「本当のTSは、たとえ無人島に一人でいても、体を変えたいと思うのだ」
という、虎井理論を
「最初から無人島に一人」と勘違いしていて、
無人島に一人でいれば、体の違和感を持ちようがない」
と、批判的に思っていた。
しかし、この無人島の話、
無人島にたどり着いた後も、体を変えたい」
というものであった。
それであれば、たとえ一人であっても、心の中にすでに社会はあるから、身体違和感が持続しても不思議ではない。
それに虎井さんの話では、
無人島にいても、そのあと船が通りかかって助けられるかもしれないし」
ということであった。
それなら、ますます納得である。

大人になるための社会科入門

大人になるための社会科入門