アジア各国で続々と軍事政権が誕生しているようだが。
それはさておき。
「Sexual And Gender Diagnoses of the Diagnostic And Statistical Manual (DSM): A Reevaluation 」が届いたので読み出す。
内容はタイトルどおり、DSMの性障害に関する批判的論文集。
一本目はHillによる「gender identity disorders in childhood and adolescence: a critical inquiry」
いくつかの側面から「小児の性同一性障害」を批判。
以下メモ的に。
1.診断基準に問題あり
(1)性役割はくっきり二分しない
「女の子はバービー人形で遊び、男の子はスーパーマンごっこ」とはいつの話だ?
そんなはっきり分かれるものではないだろう。
たとえ平均としては、わかれたとしても、オーバーラップも多いはず。
(2)文化や歴史により、子供の性役割は違うだろう。
(3)「反対の性別への同一感がある。」というけれど、なくて行動だけの場合は?
(4)「苦悩が存在」というが、苦悩なくても診断しろという精神科医もいるが?
2.診断の信頼性と妥当性に疑問あり
(1)診断に特異性がない。
子供の性同一性障害と診断しても、将来、同性愛、バイセクシュアル、ただの異性愛、トランスセクシュアルといろいろなるぞ。
(2)「認知の成熟度」の問題あることも
最近1999年Zuckerはこう言ってるぞ。「子供のGIDはジェンダーの恒常性(gender constancy)を確立することの発達的遅れがある可能性あり。この原因は、親が適切にジェンダーを教えられなかったり、不適切な行動を是正できないからかもしれない」
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=10650437&query_hl=1&itool=pubmed_docsum
明日以降に続く。
Sexual and Gender Diagnoses of the Diagnostic and Statistical Manual (DSM): A Reevaluation
- 作者: Dan Karasic,Jack Drescher
- 出版社/メーカー: Routledge
- 発売日: 2006/09/05
- メディア: ペーパーバック
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