「臨床心理士」と「臨床心理士」

「臨床心理士および医療心理師法案要綱 」が出たようなので読んでみる。


心理的な問題を有する者」と「傷病者」の違いは?、とか
興味深い点は多々あるが。
やはり気になるのは「臨床心理士」という名称問題。


法案のポイントとして、
1. 試験をして合格したものが「臨床心理士」の資格を有す。
2. 「臨床心理士」でないものは、「臨床心理士」とは名乗れない。


というのがある。
当然のことではあるのだが。


気になるのは、現在、日本臨床心理士資格認定協会なる、民間団体が、認定する「臨床心理士」との関係。


おそらくは、この「日本臨床心理士資格認定協会」は、「われわれの資格がついに国家資格になる」と喜んでいるのだろうし、国家試験の実施事務も受け持とうと張り切っているのだと思う。
さらに、現在の「日本臨床心理士資格認定協会」が認定した「臨床心理士」たちの多くは、国家試験に受かる(優遇されて?)ことで国家資格の「臨床心理士」になれるので問題はないだろう。


しかしながら、いみじくも国家資格なので、現在の「日本臨床心理士資格認定協会が認定した臨床心理士」が全員受かるとは思えない。
逆に全員横滑りで受かるとなると、それはそれで問題であろう。
となると、いまは「日本臨床心理士資格認定協会が認定した臨床心理士」であっても、国家試験にうからない限りは、今後、(正確にはおそらく法律の施行される平成18年4月1日より)「臨床心理士」を名乗れなくなるのだ。


しかし、良く考えるとこれは相当におかしな話である。
勉強し、受験料を払って、「日本臨床心理士資格認定協会」から、「臨床心理士」の資格を取ったのに、突然それが使えなくなるのだから。
サギみたいなものである。


本来は、「日本臨床心理士資格認定協会」は、「『臨床心理士』は、われわれの団体が使っている名称です。国家資格は別の名称にしてください」というのが筋だと思う。
だけど、多分、「臨床心理士」が国家資格になりそうなことに舞い上がり、国家資格に落ちて、「臨床心理士」の名称が使えなくなる人のことなど考えていないのだろう。


ありがちな話ではある。