性転換手術巡り、医師を業過致死容疑で書類送検

2005.7.1.共同通信
性転換手術ミスで書類送検/執刀の院長、業過致死容疑


大阪市の美容・形成外科「わだ形成クリニック」で2002年2月、性別適合(性転換)手術を受けた東京都の会社員男性=当時(35)=が死亡した事件で、大阪府警捜査1課と天満署は1日、業務上過失致死容疑で、執刀した和田耕治院長(51)を書類送検した。

 性別適合手術での死亡事故の立件は、これまで例がないとみられる。

 調べによると、男性は性同一性障害に悩み、女性への性転換を希望。手術は02年2月25日夜に行われたが、基準量を超える麻酔剤を投与されたため呼吸が抑制される副作用が現れた。

 和田院長は、すぐに人工呼吸などの適切な呼吸管理をせずに手術を続行。終了時には肺水腫の症状が現れ、救急医療機関に転送すべきだったのに漫然と人工呼吸などを繰り返し、翌26日朝、転送先の病院で呼吸不全で死亡させた疑い。
http://www.shikoku-np.co.jp/news/news.aspx?id=20050701000376


2005.7.2.日系ネット関西版
性転換手術で男性死亡、院長を書類送検──業過致死容疑で大阪府警

 大阪市北区堂島2の美容形成外科「わだ形成クリニック」で2002年2月、東京都内の男性患者(当時35)が性転換手術の直後に死亡した事故で、府警捜査一課と天満署は1日、手術中に呼吸不全を起こした男性患者への不適切な処置が死亡につながったとして、執刀した和田耕治院長(51)を業務上過失致死容疑で書類送検した。

 性転換手術を巡る死亡事故の立件は初めてとみられる。

 調べによると、和田院長は、02年2月25日の手術中、麻酔の副作用で呼吸不全など容体が急変した男性患者
に対し、管を使って全身に酸素を送り込むなどの措置が遅れ、血圧低下や脳障害などを引き起こし、死亡させた疑い。

 手術後、看護師の「患者を転院させたほうが良いのでは」との進言も退け、翌日早朝に心肺停止状態に陥るまで救命救急設備のある他病院への転院を怠ったことも、死亡につながったとみられる。

http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/27469.html


2005.7.2朝日新聞
性転換手術巡り、医師を業過致死容疑で書類送検 大阪


 大阪市北区の美容・形成外科「わだ形成クリニック」で02年、女性への性別適合(性転換)手術を受けた男性(当時35)が手術後に急死した事件で、大阪府警は1日、執刀した和田耕治院長(51)=同区曽根崎新地2丁目=が麻酔で呼吸困難に陥った男性に対し、適切な措置をとらずに死亡させたとして、業務上過失致死容疑で書類送検した。和田院長は「結果として救急医療機関への転送が遅れたのは確かだが、麻酔や容体の管理に問題はなかった」と容疑を否認しているという。
http://www.asahi.com/national/update/0702/OSK200507020011.html


2005.7.2.読売新聞

性転換手術死で院長を書類送検、看護師の進言聞かず


大阪市北区の美容・形成外科「わだ形成クリニック」で2002年2月、女性への性転換(性別適合)手術を受けた東京都内の会社員男性(当時35歳)が死亡した事故で、大阪府警捜査1課と天満署は1日、執刀した和田耕治院長(51)を業務上過失致死容疑で書類送検した。手術中に男性の容体が急変した際、看護師が救急病院への搬送を進言したのに和田院長が聞き入れなかったことが新たに判明。府警は、院長が死亡の危険性を明確に認識しながら適切な処置を怠ったと判断した。

 調べでは、男性は同年2月25日夜、同クリニックで手術を受け、麻酔薬の過量投与による副作用などで呼吸困難に陥った。しかし、和田院長は人工呼吸など適切な呼吸管理を行わずに手術を継続。さらに「肺水腫(すいしゅ)」の症状が疑われるなど容体が悪化したのに、速やかに救急病院へ転院させず、翌26日早朝、男性を呼吸不全で死亡させた疑い。

 和田院長が救急車を呼んだのは、男性が心肺停止状態になった直後。男性は搬送先の救急病院で、間もなく死亡が確認された。心肺停止状態になる約4時間半前、看護師が「救急搬送した方がいい」と意見を述べたが、院長は「容体が安定するまで自分が救護処置を続ける」と聞き入れず、手術を続けたという。

 調べに対し、和田院長は「結果的に搬送が遅れたのは事実」と転院が遅れた責任を認める一方、「呼吸管理に過失はなかった」と一部、容疑を否認している。

http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20050702p301.htm