『ROS Mook トランスがわかりません!!』

6月5日は、くたびれて日記を書かなかったが。
この日は、京都から東京に帰るため、朝7時に新幹線のぞみに乗ったが。
途中、1時間半も停車されてしまった。
この人のせい。


しかし、車中、退屈することはなかった。
『ROS Mook トランスがわかりません!!』を読んだからである。

この本、前日の乳房研究会懇親会で、買った(買わされた?)ものである。
FTM日本」なみの、手作り感覚あふれる装丁で、値段は500円。
正直、お付き合いで買ったのだが。


読むと実に面白かった。
なかでも、「まんこ独り語り」が実に興味深かった。


通常、性同一性障害FTMの性器についてはあまり語られない。
精神科の診察でも大体、
「自分の性器は見るのもいやでした」
「彼女とエッチをするときも、自分は脱がずに、彼女を愛撫してました」
ぐらいのことを型どおり聞くだけだ。


だが、この本にはそれだけでは収まりきらない、本音の部分が語られている。


>身体違和さえも思い込みかもしれない
>まんこを自分の身体と一部として獲得した


などなど、興味深い独白のオンパレードであった。
セックスにおいて使われる様子もちゃんと話されている。


あと、106pの瑞恵さんの文章も印象的。


>ROSで「セクシュアリティ」を問われたことがない。いくつかROSを好きな理由も探せる気はするけれど、それが私にとっては一番大きいことかもしれない。


思うに、性同一性障害を診る精神科医は、セクシュアリティを問うのが仕事である。
「じぇんだー・あいでんてぃてぃ、はっきりせんかい」
みたいな。


けれど、セクシュアリティなど、いちいち問われない社会が本当に住みよい社会なのかもしれない。