私の古い友人で、1年ほど前、九州から永田町に引っ越して住んでいる人がいる。
かれは、伝統的な家族制度や、男女役割をとても大切にする人間である。
そんな彼と、性同一性障害について語り合ったことがある。
彼曰く
「それは、障害者の問題だろう。福祉の観点から、ちゃんと保護するべきだろう」
とのことであった。
そんなことはともかく。

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>第5章 福祉とセクシュアリティ………東 優子
―医療と福祉の谷間に埋没してきた「からだ・性」
一 はじめに
二 「性」に関する知の装置
三 女性・からだ・性
四 性と生殖に関する健康と権利
五 おわりに――人生という舞台の主人公として生きる
さすが、東優子様、読んでてしびれた。
なんか仕事がどんどん広がり深まっている。
すごすぎ。
特にしびれたのが、163〜164ページの「エンパワーメントの『本来の』意味」
>エンパワーメントという概念は、本来の意味と異なり、高齢者や障害者、あるいは子どもたちなど、社会的に弱い立場にある人たちに(そうでない人が)「力をつけてあげること」として誤解されてしまっていることも多いようです。
>わたしたちはもういつまでもがんばりつづけなくていいのだ。ただ存在するだけで十分にすばらしい。がんばって外から力をつけようとしなくても力はすでに内にあるのだから。
>あるがままをまず受容し、内在する資源に働きかけることがエンパワメントである。
>私たちの内に存在する「力」を抑圧する、外的・内的要因を取り除いていくことがエンパワーメントだということです。
ちなみに、2,3番目の引用は、東さん自身の言葉でなく、森田ゆりさんの言葉を東さんが引用したものですが。
それにしてもすばらしい。

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