『性欲の研究 東京のエロ地理 編』拝読
http://www.heibonsha.co.jp/book/b193716.html
http://rakuhoku-kyoto.tumblr.com/post/114466612427
セクシュアリティの近現代史の論文集。
特に東京の地理に絡めて論文・対談が前半に並ぶ。
大変興味深かった。
新宿の赤線・青線が、交通網の進展と売春防止法の施行に伴い、ゴールデン街、二丁目と変遷していく経過は、なるほどとうなずくばかり。
論文も濃いが、がちんこの対談も、その博識に感服。
自称文系のわたしにはとても真似できない、知識と調査の蓄積。
女装バーやゲイの発展場の成立する、地政学的必然もわかり興味深かった。
「男寺党について――朝鮮半島における性的マイノリティの伝統文化として」。
GID学会で韓国のひとが、韓国ではトランスジェンダーに関する歴史的記述が乏しいといっていっていたが、その存在を示唆し興味深い。
あと表紙など数点の写真は赤線で働く女性の着物を再現したらしい。
なんとなく、欧米のセックスワーカーないしは戦後のパンパン的、けばけばしい姿を想像していたが、美しい色遣いの着物で驚き。
ついでに脱線するが。
表紙の写真を見ていたら、最近見たフェルメールの「天文学者」を連想。
いま国立新美術館のルーブル展でみられるのだが。
http://www.nact.jp/exhibition_special/2015/louvre2015/index.html
この男性、着物を着ている。
まあ、当時の東洋ブームの反映ではあるのだが。
フェルメールは光の使い方で有名だが、しわの入った布や服を描くことも多い。
着物もそのしわの美しさを描きたかったのでは。
着物はちょっとしわが出るところがエロチック。
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ルーヴル美術館の名画 フェルメールと「風俗画」の巨匠たち: なぜ「天文学者」はキモノを着ているのか?
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