「実父に」戸籍訂正申し立て…性同一障害の夫

http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120321-OYO1T00726.htm?from=main2
「実父に」戸籍訂正申し立て…性同一障害の夫
 心と体の性が一致しない性同一性障害のため戸籍上の性別を女性から男性に変えて結婚した大阪府在住の夫(29)が21日、第三者精子を使った人工授精で妻(30)との間に生まれた男児(2)について、戸籍上、実父と認められないのは不当だとして、戸籍の訂正を東京家裁に申し立てた。

 法務省によると、女性から男性に性別を変えた夫の妻が出産した届け出は全国で16件。すべてが戸籍上は、未婚の男女間の子(婚外子)扱いで妻の子とされ、父親欄は空白になっており、その是非を巡る司法判断を求めるのは全国初となる。

 夫は2008年に性同一性障害に関する特例法に基づいて戸籍の性別を男に変更し、妻と結婚。09年11月、妻が男児を出産した。

 夫は当時住んでいた兵庫県内の自治体に出生届を提出。自治体側は「父親とは認められない」として、いったん婚外子としたうえで実子と同様の扱いとなる特別養子縁組を提案したが、夫は「養子ではなく、普通の父親として認めてほしい」として届けを取り下げた。

 今年1月、本籍地のある東京都新宿区に再び、出生届を出したが、区は東京法務局の指導で、3月2日に職権で、婚外子扱いで妻の子として戸籍に記載し、父親欄は空白とした。

 これに対し、夫は「特例法で男、夫になれた。法の趣旨から父親になれる権利もある」として、父親欄に自身の名前を記すよう戸籍訂正を求めて申し立てた。

 申立書では、婚姻中の女性が人工授精で出産した子どもを「夫の子と推定する」とした民法772条に基づき、「戸籍上、夫の子と記載すべきだ」としている。

 法務省は「夫は以前女性だったので、妻が婚姻中に産んだ子としても夫の子とは推定できず、法的に男児の実父とはいえない」としている。

(2012年3月21日 読売新聞)


朝日
http://www.asahi.com/national/update/0321/TKY201203210492.html
性同一性障害の夫ら申し立て「人工授精でも嫡出子に」
 心と体の性が一致しない性同一性障害のため、女性から男性に性別を変えた夫(29)とその妻(30)=大阪府東大阪市=が21日、第三者精子を使った人工授精で妻が産んだ男児(2)を嫡出子(ちゃくしゅつし=婚内子)と認めるべきだとして、戸籍訂正の審判を東京家裁に申し立てた。

 民法772条を根拠とする嫡出子は、「結婚した男女間に生まれた子」と解釈されている。

 男児は2009年11月に誕生。夫妻は当時住んでいた兵庫県宍粟(しそう)市に出した出生届を取り下げ、今年1月に夫の本籍がある東京都新宿区に、男児を嫡出子として改めて出生届を出した。

 しかし、区は非嫡出子(婚外子)として扱ったため、今月2日、父の欄が空白となった男児の戸籍が作られた。夫と男児に血縁関係がなければ、嫡出子には当てはまらないという立場を国がとっているためだ。


http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012032100883
時事
「父親として認めて」=性同一性障害の男性、不当訴え
 「なぜ性同一性障害者だけ差別されるのか。息子の父親は僕だけだ」。女性から性別変更した男性は21日午後、東京家裁への審判申し立て後に記者会見し、法務省の運用の不当性を訴えた。
 男性は幼いころから心と体の性の不一致を感じていた。女性であることに違和感があり、スカートをはくのが苦痛で仕方がなかった。「自分は何者なんだ」。自問自答を続けた学生時代だった。
 転機が訪れたのは19歳。テレビドラマで性同一性障害の存在を知り、「これだ」と思った。2004年に診断を受け、08年に性別を変更。戸籍上も男性となり、妻と結婚した。「国が男として認めてくれたと感じた」と振り返る。
 しかし、人工授精により授かった長男は嫡出子として認められず、戸籍のない状態が続いた。親のエゴだと批判され、寝顔を見て涙することもあった。それでも諦めなかったのは、「法律上も父親として認めてほしい」という強い思いからだ。
 男性は「いろんな形の家族があるのは当たり前だと思う。性同一性障害者だけが差別され、同じ扱いをされないのはおかしい」と訴えた。妻は「3人が戸籍の上でも家族になれることが最大の望みです」と涙ながらに話した。(2012/03/21-19:17)

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http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4983386.html
TBS 動画あり
性同一性障害“「父親」に戸籍訂正を”

 性同一性障害によって戸籍の性別を変えた男性が、第三者から精子の提供を受けて妻との間に産まれた子どもの父親として認められないのは「不当」として、自治体を相手に戸籍を訂正するよう申し立てました。

 「こんなに息子を愛して育てているのに、どうして(父親と)認めてくれないんだというところを訴えていきたい」(申し立てを行った男性)

 申し立てを行ったのは、心と体の性が一致しない「性同一性障害」に苦しみ、4年前に戸籍の性別を女性から変えた東大阪市に住む男性(29)です。男性は3年前、第三者から精子の提供を受けて妻との間に男の子をもうけましたが、当時住んでいた大阪や兵庫では「血縁関係がない」として戸籍上の父親とは認められませんでした。このため、男性は今年1月に新宿区役所に出生届を出しましたが、新宿区は父親の欄を空欄にして戸籍を作成したため、男性は戸籍を訂正して父親の欄に自分を加えるよう、21日に家庭裁判所に申し立てました。

 「なぜ性同一性障害者だけが差別されないといけないのか。子どもを持ちたいと思うことは当たり前のことで、一般の夫婦と何ら変わりないことです。僕は息子の父親です。息子の父親は僕だけです」(申し立てを行った男性)

 申し立てについて、新宿区は「内容を承知していないのでコメントは控えたい」としています。(21日16:56)


http://news24.jp/nnn/news89032820.html
日本テレビ
父と認めて…性別変更の夫が戸籍訂正求める
(東京都)
心と体の性別が一致しない性同一性障害で、戸籍上の性別を男性に変更した夫(29)とその妻(30)が、人工授精でもうけた子供について、「夫が戸籍上の父親と認められないのは不当だ」として、21日、全国で初の裁判を起こした。 申し立てを行ったのは、大阪府に住む夫婦。夫は性同一性障害で、08年に戸籍上の性別を女性から男性に変更した。夫婦は、第三者からの精子提供による人工授精で息子(2)をもうけ、夫婦の子供として届け出たが、法務省は「生物学的な親子関係がないことが明らかだ」として、夫を戸籍上の父親とは認めなかった。 夫婦は、通常の男女が第三者から精子提供を受けて子供をもうけた場合と扱いが異なるのは不当だとして、東京家裁に戸籍の訂正許可を求める申し立てを行った。 こうした裁判が行われるのは全国で初めて。
[ 3/21 16:30 NEWS24]


http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120322k0000m040087000c.html
性同一性障害:人工授精の子供の戸籍訂正を申し立て
 性同一性障害GID)で戸籍を女性から男性に変えた東大阪市の会社員(29)とその妻(30)が21日、第三者から精子の提供を受け人工授精でもうけた男児(2)について、会社員を父と認めないのは不当だとして、戸籍の訂正を求め東京家裁に申し立てた。

 夫婦は今年1月、2人の本籍がある東京都新宿区に、男児の出生届を出した。同区は今月2日に男児の戸籍を作り、母の欄は妻としたが、職権で父の欄は空欄にした。

 男児が生まれた09年に、夫婦は関西で出生届を出したが、法務省は「父親が性同一性障害の場合、遺伝的に父子関係がないのは明らか」とする見解を示し、夫婦は出生届を取り下げていた。

 会社員は21日に記者会見し、「法律で男になり夫にもなったのに、なぜ父にはなれないのか」と訴えた。性的マイノリティーを支援する弁護士ら155人でつくる「GID・法律上も父になりたい裁判弁護団」のメンバーも同席し、「法律上の父子関係は必ずしも生物学的なつながりを前提としていない」などと指摘した。【丹野恒一】

毎日新聞 2012年3月21日 20時51分(最終更新 3月21日 21時10分)


http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/220321041.html
テレビ朝日
“父”と認めて…性同一障害の父親が家裁申し立て(03/21 19:57)
性同一性障害の夫が性別を変えていることを理由に、人工受精でもうけた子どもを、戸籍上、夫婦の子として認めないのは差別だとして、父親と認めるよう東京家裁に申し立てました。

 申立人の男性(29):「息子が生まれても、国は僕が父親だと認めてくれませんでした。こんなに息子を愛して育てているのに、どうして認めてくれないのかというところを訴えたい」
 男性は性同一性障害のため、女性から男性へ戸籍上の性別を変更しました。その後、男性は結婚し、第三者精子提供を受けて人工授精で妻との間に長男をもうけました。男性は、新宿区に出生届を提出しましたが、区は男性に生殖能力がないことを理由に男性の子とは認めず、父親の欄を空白にした戸籍を作成しました。男性と妻は、「性同一性障害者への不合理な差別だ」として、父親と認めるよう東京家裁に審判を申し立てました。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120321/k10013876361000.html
NHK
性同一性障害 子の戸籍訂正申し立て
3月21日 21時10分
心と体の性が一致しない「性同一性障害」と診断され、戸籍の性別を変えた夫が、妻との間に人工授精で生まれた子どもを法律上の夫婦の子と認めないのは不当な差別だと訴えて、東京家庭裁判所に戸籍の訂正を求める申し立てを行いました。

申し立てを行ったのは、性同一性障害と診断されて、戸籍上の性別を女性から男性に変えた29歳の夫とその妻です。
妻は3年前、第三者から精子の提供を受けて子どもを出産し、ことし1月、出生届を出しましたが、夫が性別を変えた記録が残っているため、血縁関係がないのは明らかだとして、法律上の夫婦の子である「嫡出子」と認められませんでした。
夫は、父親ではなく同居人として届け出るよう、指示されたということです。
一般的には、第三者から精子の提供を受けても、役所の窓口では分からないために、子どもは「嫡出子」と認められており、夫婦は21日、不当な差別だと訴えて、東京家庭裁判所に戸籍の訂正を求める申し立てを行いました。
弁護団によりますと、こうした申し立ては全国で初めてだということです。
会見で、夫は「息子の父親は僕だけです。妻の夫になれたのに、なぜ子どもの父親になれず、差別されないといけないのか」と訴えました。
また、妻も「私たちを、戸籍のうえでも家族と認めてほしい」と述べました。