LGBTQってなに?―セクシュアル・マイノリティのためのハンドブック―

「LGBTQってなに?―セクシュアル・マイノリティのためのハンドブック―」拝読。
中身は英文のタイトル「GLBTQ: The Survival Guide for Queer and Questioning Teens 」の方ががわかりやすいか。
若者LGBTQ向けの本。
アメリカの本らしく、細かくマニュアルが示され素晴らしいが。
残念な点も…。


アメリカ向けなので日本の実情にはそぐわず。
・さらに原著は2003年のものなので、今のアメリカの実情にもあまりそぐわず。
・訳者はアメリカ在住のストレートの日本人のようで、あまり日本の実情に詳しくないようで。
たとえば「gender outlaw」が出てくるところで、訳書「隠されたジェンダー」に触れられてないとか、ほかにも日本語訳出ているいくつかの文献もスルーされていて。訳者というより、編集者の責任かもしれないが。せめて巻末に、詳しい訳注や日本の情報を載せるかすればよかったが…。
・原著者自身、trangenderにはあまり詳しくないようで、概念定義がdragの人を入れるかどうか混乱してるし、SOCの記述も2003年のものとしても不正確だし。RLEでなくRLTとか、ホルモン18歳とか・・。


結論として、日本の若者LGBT向け実用書というより、大人のLGBT向けの参考文献といった感じの1冊かな。

LGBTQってなに?―セクシュアル・マイノリティのためのハンドブック―

LGBTQってなに?―セクシュアル・マイノリティのためのハンドブック―