スイカの決闘

人生とは日々戦いである。


本日、地下鉄に乗ろうとしたときのこと。
駅の改札で、私が入場しようとした改札は、入場する人、出る人、どちらでも両側から利用できるタイプのものだった。
出てくる人はいないので、そこから入ることにし、財布のスイカに手を伸ばそうとした時、隣の出場口に並んで出ようとしていたおばさんが、並ぶのが嫌になったのか、私が入ろうとしていた改札口に、ダッシュしてきた。
どう考えても優先権は私にある。
ここで負けてはいけない。
私は電光石火の早業で、財布からスイカを取り出し、タッチをした。
おばさんもなかなかの速さで、きわどい勝負だったが、私のほうが瞬間早かったはずだ。
だが、なぜかおばさんが勝利し、私は赤いランプが点灯し、入場禁止になった。
なぜだ。
よく見たら、私が手に取っていたのは、スイカではなく、ツタヤのTカードだった。
そういえば、きのうDVDを借りたとき、Tカードを財布の一番上にしまっていた。
今日のところは私の完敗であった。