保険適用への理解に差 性同一性障害、治療種別で

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011052401000043.html
保険適用への理解に差 性同一性障害、治療種別で
2011年5月24日 06時06分

 岡山大大学院保健学研究科の中塚幹也教授は24日、健康保険適用が認められていない性同一性障害GID)治療をめぐり実施したアンケート結果を公表、適用すべきだとの回答が治療種別の違いで14〜74%と大きく隔たり、理解に差があることが浮き彫りになった。

 保険適用に関し厚生労働省は「有効性や安全性で医療上のコンセンサスがなく、国民の理解も得にくい」と慎重姿勢。これに対し中塚教授はアンケート結果を踏まえ「治療のガイドラインは1997年に制定されており、正当な医療行為。治療の中身によっては一般の人にも十分理解してもらえる」と話している。

 治療種別ごとに見ると、「保険適用すべきだ」の回答は、心の性に体を近づける「ホルモン治療」で74・5%、「手術療法」は68・1%。一方、心は女性だが体は男性の患者が多く希望する「脱毛」は19・4%、「美容整形」は14・1%にとどまった。

 2004年に施行されたGID特例法は、性別適合手術を受けることを前提に患者の戸籍上の性別変更を認めている。

 アンケートは各地で開かれたGIDに関する講演会に参加した教員や一般の男女約千人に実施。うち852人が回答した。

(共同)