MTFのホルモン療法は困ったものだ

最近診察室でよく言うのが
「あなた、死にますよ」
という、ケンシロウのようなせりふ。


MTFさんで、個人輸入でびっくりする量のホルモン剤を服用している人がいまだに結構いるのだ。
D-dimerをはかると、案の定、高値で、塞栓症にならなかったのが不思議な値。


思えば、FTMは、
ホルモン投与のやり方はほぼワンパターン、
比較的安全、
筋肉注射のため、医者の管理下。


なのに対し、
MTF
ホルモン投与の仕方は多種多様、
リスクあり、
経口剤は個人輸入容易で、医者の管理外。


ということで問題多し。
しかもネットでホルモン入手は可能な一方で、ネット上で日本語ではホルモン療法に関する有用なページはほぼ皆無。
唯一すぐれ、いまだにバイブル化されている、優形愛氏によるものも、10年以上前に書かれたもので、その後の知見や新薬の情報が反映されていない。
結局、個人の体験談を見よう見まねで真似しつつ、「自分はもうちょっと多めに飲もう」と、服用量はでたらめに増えていく。


困ったものだ。