精神科外来受診者における性同一性障害者のRLEと臨床的特徴

第11回GID学会抄録


精神科外来受診者における性同一性障害者のRLEと臨床的特徴
 はりまメンタルクリニック 針間克己
2008年4月1日より12月12日までに、はりまメンタルクリニックを受診し、一定の質問項目の情報を得た638名(FTM405名、MTF233名)の性同一性障害者の、RLEと臨床的特徴について報告する。
RLE(real life experience:実生活経験)を、「望みの性別で学校生活ないしは職業生活を送る」と定義し調査。
FTMの50.6%、MTFの42.5%がRLEを行っていた。
ホルモン療法をしているものでは、FTMの90.8%、MTFの53.0%、行っていないものでは、FTMの24.4%、MTFの20.0%がRLEを行っていた。
学校でカムアウトしているものでは、FTMの56.1%、MTFの42.9%、していないものでは、FTMの18.9%、MTFの34.4%がRLEを行っていた。
職場でカムアウトしているものでは、FTMの74.5%、MTFの70.6%、していないものでは、FTMの28.5%、MTFの23.6%がRLEを行っていた。
当日の発表では、RLEの有無と、そのほかの臨床的特徴との関係性の統計も示し、RLEを行うに当たっての、医学的支援についても考察する。