NHKが考える「性のありよう」

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090117/acd0901170336000-n1.htm
産経
【断 潮匡人】NHKが考える「性のありよう」
2009.1.17 03:35
 今月のNHKスペシャル「女と男」が面白い。「最新科学が読み解く性」と題し、ドラマを交え「男女の違いは性器だけでなく、脳や寿命にまで及ぶ」と報じる。

 まず、11日放送回で「男女の違いは(中略)無意識のなかに深く根ざしており、日常生活のなかで深刻な影響を与えやすい」と警鐘を鳴らした。

 翌日には「女と男の違いの最新研究を通して人間の歩んできた道筋を辿(たど)るとともに、医学や教育などで始まっている、男女差に注目する新たな潮流」を紹介した。

 18日放送予定の最終回「男が消える? 人類も消える?」が楽しみだ。と言いたいところだが、一抹の不安が残る。

 なぜならNHKが「性のありようをもう一度考えてみる」「LGBT特設サイト−虹色」を掲げているからだ。

 LGBTはレズ、ゲイ、バイ、トランスの略。「いろんなセクシュアリティーのかたちや価値観が社会にはあります。境界線がなくて、少しずつ違っていく色、性ってそんなイメージかもしれない。だから『虹色』と名づけました」と公言する。

 以上は、教育テレビの人気番組から生まれた。不遜(ふそん)なリベラル思想教育を、公共放送が「特設」で担う。なぜ(拙著新刊以外)誰も問題視しないのだろうか。

 人間は男か女に生まれる。性別は選べない。被造物の分際で性の「境界線」をなくすなど、不遜な冒涜(ぼうとく)であろう。「進歩派」を気取るなら「最近科学」も学ぶべきだ。せめて自局番組は見てほしい。(評論家)