あるジェンダー理論への批判:血祭りになった一人の学者 2

(昨日の続き)

Dr. Conway に相談したのちに、4人のトランスジェンダー女性が、ノースウェスタン大学に手紙を書いた。その内容は、自分たちの同意なく、自分たちがBaileyの研究対象にされてしまったというものだった。
別の1名はほかの内容でBaileyを告発した。Bailey は彼女とセックスをした、という内容だ。
Dr. Conway と Dr. McCloskeyも大学に告発の手紙を書いた。 Bailey が、研究対象への同意なく、研究を行ったという内容だ。
彼らはイリノイ州の法律官にも手紙を書いた。Bailey が、資格なく、心理臨床を行っていることを調査せよという内容だ。SRSのオピニオンを書いたというのだ。州の広報官は、法律官はこの手紙は無視したと述べた。
取材に対して、Baileyは、「自分は倫理的に悪いことは何もしていない。私は著書のためにインタビューをしただけだ。ここは自由な社会だ。私のしたことは許されるはずだ。」 と述べた。
しかし、2003年の終わりには、この論争はインターネット上で新たな展開を見せることになる。Dr. Conwayはコンピューター科学者であり、Baileyを告発する、サイトを立ち上げた。Bailey の名前でグーグル検索すれば、Dr. Conwayのサイトが上位に示される。
このサイトは、Andrea JamesというLAのトランスジェンダー運動家による、Bailey批判のサイトへのリンクも張られている。James はBaileyのサイトから、彼の小学生の子供の写真をダウンロードし、自分のサイトに張り付けている。そこには「Baileyは子供の父親であり、妻とは離婚している」というコメントが付いている。JamesはEメールで「Dr. Baileyは、弱者、とりわけ子供を搾取した仕事をしている。だから、私もそれを倣って、写真を張り付けた」と述べた。

Dr. Dregerは、この論争の最後に現れた。彼女はこれまで長い間、性別があいまいな人たちの支援者であり、過去の性科学研究を強く批判してきた。彼女は「最初自分も、Dr. Baileyが悪いと思った。共通の友人を介して彼と会った後、自分自身で調査することに決めた。」と述べた。
しかし、彼女が最近書きあげた原稿によれば、彼女の結論としては、Dr. Bailey への告発は、全く根拠のないものだ。
たとえば、大学に対して告発した4人のトランスジェンダーのうち2人は、実際にはDr. Bailey の著書には全く取り上げられていないことにDr. Dregerは気がついた。残りの二人は、自分たちが大学への手紙で書いている通り、自分たちが本で取り上げられることはあらかじめ知っていた。
セックスをしたという告発は、5年前のできごとについてである。そのため、否定も肯定もできない。しかし、E-メールの記録によれば、その日 Dr. Baileyは元妻の家にいて、子供の世話をしていた。
セックスをしたと主張するトランスジェンダー女性は、友人に、自分は告発を応援するが、証言する気はない、と述べた。
Dr. Dregerの見解はwww.bioethics.northwestern.eduで読むことができるが、州の規則によれば、Dr. Baileyの著書は、科学的研究の基準を満たさない。州の規則は、科学的研究を研究計画や評価からなる系統的調査と定義づけている。
Dr. Bailey は、彼の著書の中で、逸話として、当事者を登場させたにすぎず、系統的調査とは言えないのである。
はっきりしてることは、彼らはDr. Bailey を破滅させようと試み、おおむね成功したのである、とDr. Dregerは述べた。
Dr. Dregerの報告はすでにネット上に出回り始め、偏見に基づいていると、攻撃の対象となっている。
(続く)