戸籍変更するための費用と期間はどのくらいかかりますか?

下記Q&A書いたけど、細かい具体的値段の情報がわからない…。
ご教示あれば幸い。


Q戸籍変更するための費用と期間はどのくらいかかりますか?


戸籍変更の手続きに関しては医療機関家庭裁判所での二段階を考える必要があります。
まず医療機関について述べます。
ここでの説明は性別適合手術まで終えていることを条件に考えます。
性別適合手術までに、必要な医学的検査や診察を終えていない場合は、医学的検査や診察を受ける必要があります。
医学的検査としては、「生物学的な性別」の判定のための検査があります。染色体検査、ホルモン検査などの血液生化学検査、および診察代あわせて、保険適用の有無にもよりますが、数万円程度かかるでしょう。通院は数回で1カ月以内で終わるでしょう。
また、2名の精神科医による診断がなされていない場合には、精神科に通院する必要があります。
心理検査代等を含めて初診時3000円程度、再診時で1500円程度かかります。混み具合等にもよりますが、数か月、数回の通院は必要となります。ですから通院費用は合計で1名の精神科医に対して1万円程度になるでしょう。
次に、2名の精神科医の診断があり、生物学的性別判定の検査も終えている場合の話をします。
まず必要なのが、これまでの治療歴を証明するための診断書です。ホルモン療法、乳房切除術、性別適合手術など、それぞれの医療機関から、診断書を発行してもらいます。診断書は医療機関によって料金は違いますが、およそ2000円から5000円程度だと思います。
また、海外で手術を行い、海外の診断書がある場合は日本語に翻訳する必要があります。日本語翻訳は自力でしても、知人に頼んで作成しても特に問題はありませんが、業者や医師に頼むと、数千円程度の料金は必要となるでしょう。
また「他の性別としての身体的適合状況」を診察した診断書も必要です。この診断書も2000円から5000円程度だと思います。これら診断書発行時に診察代もそれぞれ別にかかるでしょう。
さて、これらの書類がそろったら、精神科医によって家庭裁判所に提出する診断書を作成してもらいます。この料金も特に定まっていません。この診断書を作成したことのない医師にとっては、作成にはかなり時間がかかりますので10万程度請求されるかもしれません。逆にジェンダークリニックのある大学病院で手術まで終えている場合は、数千円程度の値段の場合もあるようです。数多くの診断書を作成しているいくつかのクリニックでは3万円程度の値段のようです。また作成までの期間ですが、すでに診断までされている場合には、実際にはそれほどの時間はかかりません。ただし、混雑しているクリニックや大学病院では、診断書を書いてもらうまでに順番がなかなか回ってこず、数か月以上待つということもありうるでしょう。
また、2人の精神科医による署名が必要ですが、2人目の精神科医は1人目の精神科医が作成した診断書に署名するだけですみますので、診察代以上の金額は、かかっても数千円程度でしょう。
以上を簡単にまとめます。
 必要な検査や診断がすんでいない場合には、お金は診断書代と診察代、検査代などあわせて10万円程度かかる。期間も短くても数カ月はかかる。
検査や診断がすでに出ている場合には、必要なお金は診断書代と診察代あわせて5万円程度。時間はそれほどかからないが、待ち時間が数カ月かかる可能性はあり。
次に家庭裁判所での手続きです。
まず、抑えておくポイントとしては、申し立てにあたっては、特に弁護士や司法書士などの専門家に手続きを依頼する必要はないということです。家庭裁判所に行けば必要な書類や手続き方法は説明してもらえますので、自力で申し立てを行って何の問題もありません。書類に不備がある場合も、即却下ということはなく、家庭裁判所のほうから、追加すべき必要書類の指示があるでしょうから心配はいりません。
インターネットでも下記URLで手続きは記されています。
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_06_23.html
申し立てに必要なお金としては、収入印紙800円と切手代です。切手代は家庭裁判所によって異なりますが数千円程度です。また、切手代は多くの場合、使い切ることはなく、余った切手代は返還されます。ですから、実際家庭裁判所の手続きでは金銭は数千円以内ですむと考えてよいでしょう。
また、申し立てをしてから審判されるまでの期間ですが、書類の不備などの問題がない限りは、1か月程度で審判されるようです。ただ、12月や3月といった年末、年度末に申し立てをした場合には、やや時間が長くかかることも考えられます。