性同一性障害特例法における性別適合手術と戸籍の変更2

野暮を承知で。


昨日紹介した、
議員立法である本法に積極的に取り組んでこられた参議院議員南野智恵子(注、ママ)前法務大臣は、子無し要件を置いたことは今回の特例法の重大な欠点であり、世界のどこにも、子無し要件を置いている国はない、法務省当局は子の利益のために父の性別は男性のままにしておくべきだと言うが、逆に戸籍上の性別が女性に変わることによって、生活実態に合致して、父親が少しでも幸せになることこそ、子の利益、子の福祉に適うのではないか、と主張されている。


は、引用文献として南野知恵子監修「性同一性障害者性別取扱特例法」の43ページを挙げている。
実際、同書の43ページには、「7 特例法の欠点」として、子無し要件の問題点が示されている。
しかしながら、このページは同書の36−69ページにわたって掲載された大島俊之教授の論文「Ⅱ性同一性障害に関する法的な諸問題」の一部分である。
すなわち、引用された部分は、同書の大島論文の一部分であったにもかかわらず、同書の監修が南野知恵子議員だったために、論文著者の小野幸二が、南野知恵子議員の主張と勘違いして引用したというしたと推測される。

解説 性同一性障害者性別取扱特例法

解説 性同一性障害者性別取扱特例法