ジェンダー・アイデンティティ

こいつもアップしておく。793文字。


ジェンダーアイデンティティ


ジェンダーアイデンティティとはgender identityのカタカナ表記である。日本語訳としては、従来は「性同一性」が用いられてきたが、カタカナ表記のジェンダーアイデンティティのほうが理解されやすいとの考えで、最近ではそのままカタカナ表記することが多い。ほかの言い方では「性自認」、「性の自己意識」、「自己の性意識」、「性の自己認知」などとほぼ同じ意味であり、より簡単に「心の性」という場合もある。定義としては、gender identityという言葉の生みの親である、性科学者のジョン・マネーは以下のように定義している。「一人の人間が男性、女性、もしくは両性として持っている個性の、統一性、一貫性、持続性をいう」。
典型的な男性や女性では、ジェンダーアイデンティティは身体的な性別と一致する。つまり、体が男性の場合、心も男性、つまり自分自身を男性と認識する。しかし、性同一性障害トランスジェンダーでは、ジェンダーアイデンティティは身体的性別とは必ずしも一致しない。つまり、たとえば体が男性であっても、心の性は女性である、といったアイデンティティをもつ。
このジェンダーアイデンティティは、生物学的要因に加えて、その後の養育環境や生活環境などが複合的に組み合わさって形成されていくと推測されている。
 なお、gender identityの従来の訳語である「性同一性」を、「『生物学的性』と『心理・社会的性』が一致するとき『性同一性(gender identity)』があるという」という具合に間違った理解をしているものもある。これは、おそらくは性同一性の「同一」を「生物学的性と心理・社会的性とが同一」との意味に誤解し、生じていると思われる。しかし、 identityの同一性とはこのような意味ではなく、自己の単一性、不変性、連続性という意味において同一なのであり、上記記述は誤りである。