女性への戸籍変更申し立て 性同一性障害の男性2人

http://www.sakigake.jp/p/news/main.jsp?nid=2006102801000025
秋田魁新報


女性への戸籍変更申し立て 性同一性障害の男性2人


 心と体の性が一致しない性同一性障害GID)と診断された46歳と50歳の男性2人が、戸籍の性別を女性に変更するよう、近く奈良家裁神戸家裁尼崎支部に申し立てることを28日までに決めた。
 2人はいずれも女性と結婚、子供をもうけた後、離婚した。性同一性障害特例法は戸籍の性別変更の際、「未婚で子がいない」を条件としており、対象外の2人の申し立ては来年以降の法改正論議に一石を投じそうだ。
 2人は奈良県生駒市派遣社員の通称森村さやかさん(46)と兵庫県尼崎市の会社員(50)。それぞれ大阪医大と海外で性別適合手術を受けたが、戸籍上は男のため、就職や結婚、日常生活でも不便を強いられていると訴えている。
 GIDの日本人は全国で数千人から数万人で、うち子供をもうけたのは1割未満とされる。
  2004年7月施行の特例法は、(1)2人以上の医師が性同一性障害と診断(2)20歳以上(3)未婚者(4)子供がいない−などの条件を満たしている人 が家裁に審判を請求して認められれば、戸籍の性別を変更できると規定。付則に社会的環境の変化を考慮して、3年をめどに対象者の範囲を見直すことが盛り込 まれた。
 GID学会理事長で神戸学院大法科大学院の大島俊之教授は「子どもがいるのは、まだGIDという概念が世間に浸透していなかった時代に結婚適齢期を迎えた現在40−50代の人たち。30代以下で結婚歴のある人は少ない」と指摘している。
(2006/10/28 08:15 更新)