性別違和者、小児愛者、フェティシストにおける性的対象配置の障害4

8月30日の論文翻訳(http://d.hatena.ne.jp/annojo/20060830/p1)、
9月1日の論文翻訳(http://d.hatena.ne.jp/annojo/20060901/p2
9月2日の論文翻訳(http://d.hatena.ne.jp/annojo/20060902/p1)続き。


人間ではない対象の性的対象配置の障害


次のケースは重篤さにおいては、性転換症に匹敵する同一性の障害がある。
症例
25歳独身男性。知能はやや低い。主訴は自分を漫画の犬だと想像すること。この想像が最近強まり、主観的にも苦痛になっている。漫画キャラの犬だと想像すること、自分が実際そうではないという事実、さらにそういった状況への罪悪感、すべてが仕事の差し支えになっている。
6歳まで彼と双子の兄は、一緒にぬいぐるみの動物で遊んでいた。ぬいぐるみで人間のようにごっこ遊びをしていた。ふたりで、ぬいぐるみの声を出していた。
11歳ころ、思春期に達すると、二人はぬいぐるみでのセックスごっこもし始めた。ぬいぐるみどうしで、セックスをさせるとき、ふたりとも勃起した。しかし、射精はしなかった。この遊びは20歳まで続けられた。
彼のごっこ遊びは、漫画キャラの動物たちの世界へと発展した。彼はこの世界を「空想世界」と呼んだ。主役はパピー・スミスというキャラだ。パピー・スミスは泳いだり空を飛んだりもできる。ほかのキャラもいろいろいて、それぞれのぬいぐるみもあった。
彼の性的行動は、この空想世界および実際のぬいぐるみと、いつもつながっていた。マスターベーションのときのお好みの空想は、自分がパピー・スミスで、自分がパピー・スミスの姉妹からかわいがられる、というものだった。実際には、ぬいぐるみも使ってマスターベーションをしていた。ぬいぐるみはパピー・スミスと、姉妹のと両方を使った。
この患者の経過は、多くのトランスベスタイトと非常に似ている。彼らは最初は、フェティシスティックな女装から始まり、だんだんにずっと女性でありたいと想像し始める。