性犯罪に心理療法 再犯防止、グループ討論 東京医歯大

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性犯罪に心理療法 再犯防止、グループ討論 東京医歯大



 東京医科歯科大学難治疾患研究所(東京都千代田区)の研究チームが、性犯罪歴のある男性を対象に再犯防止のための心理療法プログラムを四月にも始める。大学の研究機関がこうした取り組みを行うのは全国で初めて。「認知行動療法」を採用したグループ療法を行い、効果的な性犯罪再犯予防法の開発に役立てたいとしている。

 プログラムは同研究所の精神科医、小畠秀吾助教授(犯罪精神医学)ら四人で運営。性犯罪前歴者のほか、自分が「何らかの性犯罪をしかねない」と考えている男性を対象とし、専用電話(TEL080・6612・7837)を設けて参加を求める。

 小畠助教授によると、人間は対人関係のつまずきなどストレスを自力で処理できない場面で攻撃性が生じる。異性に過剰な理想像を抱くなど性意識が未熟な場合、攻撃性と結びついて性犯罪に走るケースが多いという。

 このためプログラムでは、六−八人のグループで週一回、性犯罪に至った過程など内面について自分の言葉で話し合ってもらう。会話の中で、性への一方的な思い込みなど認識のゆがみに気づいてもらい、問題行動につながらないよう促す。約三カ月間のプログラムを通じて意識改善を目指す。

 医師らはプログラム全体を見守る立場で指導。プログラムの開始前と終了後に心理検査を行って結果を比較し、プログラムの効果を確かめるとともに、改善につなげる。

 プログラム実施の場所は未定だが、付属病院や研究所など参加者が特定されやすい場所は避けるという。

 性犯罪歴のある人への治療は欧米を中心に進んでおり、小畠助教授らは文部科学省の科学技術振興調整費から助成を受け、英国の先進事例などを研究してきた。

 大学の研究機関がこうしたプログラムに乗り出すのは初めて。法務省は一昨年の奈良女児殺害事件を受け、刑務所などで性犯罪者の再犯防止の教育プログラムを行うことをすでに決めている。

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【用語解説】認知行動療法

 人の行動に関する心理学や行動科学を応用した心理療法。問題行動の原因になる考え方や行動のゆがみを自力で知る練習を行い、実際に同じ場面に直面したときに、自らをコントロールできるようにしていく。

産経新聞) - 2月28日2時50分更新