風野先生が戦前の警視庁技師、金子準二という精神科医について論じている。
http://psychodoc.eek.jp/diary/?date=20060129#p02
http://psychodoc.eek.jp/diary/?date=20060128#p01
彼の名は、戦前の断種法をめぐる議論の中で、反対論者として聞いたことがあった。
興味深い内容なので、文献の一部を引用しておく。
「日本精神科医療史」岡田靖雄著より。
P192
>とくにつよく反対論をといたのは金子準二(1890-1979)で、1938年には10編の反対論文をかいている。わたしは金子から話しをうかがう機会をもったが、断種は大海の水を杯でくむようなものだ、と強調していた。金子がもう一ついっていたのは、職業柄宮家や上流の人の精神疾患につきおおく相談されてきた、こういう人たちも断種することになったらどうなるか、という思いだった、という点である。少数とはいえ、こういう反対論があり、また国民のなかにひろくあった家尊重の気風も、成立したのちの国民優生法に抑制的にはたらいたことだろう。しれわたっていた大正天皇の病いのうわさなども、目にみえぬながら、ひびいたに違いない。
- 作者: 岡田靖雄
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