売春“女性”「私、男だったのよ」

中日新聞 2006.1.14.

http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20060114/mng_____sya_____005.shtml

売春“女性”「私、男だったのよ」
名古屋・千種署、性別特定できず立件見送り


 名古屋市千種区で男性を勧誘し、売春防止法違反で現行犯逮捕された韓国人(36)が女性に性転換した男性だと主張し、千種署が立件を見送ったことが分かった。逮捕容疑の売春勧誘は女性を対象にしているため。同署は男性にも適用できる県迷惑防止条例への切り替えを検討したが、本当の性別を特定できないまま強制送還で“決着”した。
 同署によると、この韓国人は昨年11月下旬、千種区今池の路上で、男性相手に売春の客引きをした。髪が長くスカート姿で、外見は女性。持っていた旅券の性別記載も女性だった。
 ところが、調べに対し「18歳の時、男から女に性転換した」と供述。日本では性同一性障害を対象にした特例法以外性別変更は認められていない。韓国では裁判所が認めれば性別変更できるというが、この手続きも取られておらず、同署はいったん「男性」と認定した。
 しかし男性用の留置場ではトラブルが起きる可能性があるため特例として女性用の留置場に収容。さらに売春勧誘は女性にしか罪を問えないため処分保留に。県迷惑防止条例を適用しようにも「女性に性転換した男性」を立件した前例がないとの懸念が浮上した。
 結局、ビザの期限切れによる入管難民法違反容疑で再逮捕。名古屋入国管理局が先月下旬、不法滞在者として韓国に強制送還した。