- 作者: 藤川洋子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/05
- メディア: 新書
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著書は家裁調査官の立場から、理解困難な非行少年のケースに、アスペルガー障害を有することが多いことを主張し、広めた人。
ある意味今日の日本におけるアスペルガーブームの立役者の一人とも言える。
本書も、その著者の専門、興味が色濃く反映。
最近のケースや、過去のケースを、アスペルガー/発達障害の観点から鮮やかに描き出す。
ただ心配な点は2点。
1. 著者の意図に関わらず、素人は、「アスペルガー=犯罪」と思うかもしれない。
2. 記載内容に一部変更があるとはいえ、実際のケースに基づいたものを、学術発表ならともかく、一般書に書いていいものなのか。守秘義務もあろうに。関係者が見れば一発でわかってしまう気も。
あと、この4月から、著者は東京の家裁から、大阪家裁に転勤になったようで、あとがきにあった、以下の文章が印象的。
>この詩の「私たちはつねに別れていく」という一節には泣ける。