医師装い中絶手術の男に懲役3年、執行猶予5年判決


報道的には目立たないが、気になった判決。


以下の事件判決、これまでの報道とは違い、動機に「性的欲求」が挙げられている点が気になる。
「性的欲求」の具体的内容は報道上は不明。

また、「被告が誰にも相談できないまま、抱え込んだ性的欲求をエスカレートさせたと認められる」が情状酌量理由となり、執行猶予となった点も印象的。


以下記事貼り付け。


本日判決報道。
2005.5.16.朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0516/TKY200505160155.html?t
医師装い中絶手術の男に懲役3年、執行猶予5年判決
2005年05月16日11時30分

 インターネットサイトで知り合った妊娠中の女性に、医師を名乗って中絶手術と称して刃物で腹部に大けがをさせたとして、傷害罪に問われた埼玉県新座市栄4丁目、無職山下仁志被告(30)に対し、仙台地裁(斉藤啓昭裁判官)は16日、懲役3年、保護観察付きの執行猶予5年(求刑懲役3年)を言い渡した。
 判決は「犯行は特異で猟奇的だ。この種事犯に対する抵抗感の希薄さがうかがわれる」としながらも、「被告が誰にも相談できないまま、抱え込んだ性的欲求をエスカレートさせたと認められる」などとして情状酌量を認めた。
 判決によると、山下被告は04年11月、産婦人科医師を名乗り、宮城県内の被害者の知人の家で、妊娠8カ月の女性の腹部をメスで切開し深さ約5センチの傷を負わせた。


逮捕時の報道
2004.12.3.共同通信
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT3K0301N%2003122004&g=K1&d=20041203
医師かたり“中絶手術”・腹部切開した男を逮捕
 宮城県警石巻署は3日、携帯電話の掲示板で中絶を希望した同県石巻市の無職女性(29)に医師を装って腹部を切開し重傷を負わせたとして、傷害の疑いで埼玉県新座市、無職山下仁志容疑者(30)を逮捕した。

 女性は独身で、事件の数日前、携帯電話でインターネットの医療相談掲示板に「おなかが大きくなりすぎておろせない」などと書き込み、山下容疑者が「何度も同じような中絶をしたことがある」などと持ち掛け、白衣で“執刀”したという。

 女性は妊娠7―8カ月で、法的に中絶できる6カ月を過ぎていた。山下容疑者は医師免許を持っておらず、医療関係の仕事の経験もなかった。

 女性は「都内の有名病院に勤めている」という山下容疑者を信用。身分を確認せずに知人宅に招いた。女性、胎児とも命に別条はなく、現段階では出産に影響はないという。

 調べでは、山下容疑者は11月24日夜、石巻市の民家で、女性の腹部をメスのような刃物で切開、重傷を負わせた疑い。〔共同〕 (21:17)


求刑時の報道
2004.4.22.共同通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050422-00000209-kyodo-soci
偽医者に懲役3年求刑 中絶希望女性の腹部切開

 医師を装い中絶を希望した女性の腹部を切開し負傷させたとして、傷害罪に問われた無職山下仁志被告(30)の論告求刑公判が22日、仙台地裁(斉藤啓昭裁判官)であり、検察側は「医師のふりをして虚栄心を満足させたいという身勝手な動機は悪質」として懲役3年を求刑した。
 公判で弁護側は「犯行時心神耗弱だった」と主張。検察側は論告で「事前に医療用具を購入するなど犯行は計画的で責任能力はあった」と指摘し、弁護側は最終弁論で「反省している」と情状酌量を訴え、結審した。判決は5月16日。
 論告によると、山下被告は昨年11月24日夜、宮城県石巻市の民家で、女性の腹部をメスで長さ約8センチにわたって切開し、腹部などに2週間のけがをさせた。
共同通信) - 4月22日19時15分更新