みんなの広場:性同一性障害者の事件に思う=主婦・川端正子・70

みんなの広場:性同一性障害者の事件に思う=主婦・川端正子・70

 (長崎市
 9月の本紙で、山口県内の性同一性障害の男性が、顔写真などを張り替えた運転免許証を作ったとして有印公文書偽造などの罪に問われ、山口地裁で有罪判決を受けたとの記事を読みました。私はこの人がなぜ、顔写真を女性らしいものに張り替えたのか、考えてみました。
 私は女性です。だから戸籍や健康保険証の性別欄が男となっていたり、名前が男性らしい名前になっていたら、変更したいと強く願います。だから、この人が名前や戸籍の性別変更を考えたのは当然のことだと思います。
 推察するに、この人は子供のころからつらい思いをしながら生活してきたのでしょう。この人は医師から、性別変更には女性として生活していることを証明する書類が必要と言われたことを機に、犯行を思い立ったと記事にはありました。犯罪はよくないが、性同一性障害の人が生活しやすい世の中であれば、被告が写真を張り替える必要はなかったかもしれません。

[毎日新聞社 2010年10月18日(月)]