マグリット展

マグリット展に。
http://magritte2015.jp/
マグリットの絵はシュールで理解困難だが。
作品を生涯を通じてみるとなんとなくわかってくる。


不条理さは、人生の2回の体験による。
青年期の母親の死。
大人になってからの第二次大戦。
特に第二次大戦の影響は大きく、画風もよれよれになる。
しかし、その絶望的不条理を経験したからこそ、晩年には悟りにも近い円熟した作品となっている。


作品が意味不明なのも当然で、物と物、物と言葉、現実と観念といった事柄の関連をあえて壊そうとしているのだろう。

それでもだんだん丸くなり、鳥と卵、鳥と空、などわかりやすい関連になってくるし、石、ライオン、切り絵模様など、若い頃からのテーマを年老いてからも描き続けるのは、いい感じだ。


あと、女性の顔が裸体になっている有名な作品群があるが、発表当初、わいせつだ、ということで、カーテンに隠されたコーナーでの展示だったらしい。
会田誠みたいだ。
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20130205

会田誠といえば、マグリットの作品に、顔、胸、足、等をそれぞれ額縁の中に分断して描いた作品もあった。
これも部分愛というか、四肢切断的というか。


あと、ナチスシュールレアリズムを禁止したらしい。理解不能な物を嫌ったともいえるが、人間の無意識的情念に恐怖心を持っていたのかも知れない。