GID(性同一性障害)学会 第16回研究大会

http://gid16-okinawa.kenkyuukai.jp/special/?id=9690
会場、意外と多数。
最終的には278名の来場者。


12:00‐12:15 オープニングセレモニー


地元FTMたちの見事なエイサー。
芸達者とおもてなしに感服。


12:15‐13:00 
【会長講演】
『沖縄のGID診療の歴史・現状・課題』
演者:山本和儀(第16回研究大会会長、山本クリニック)

1998年の沖縄での日本性科学学会開催がきっかけ。
スライドの新聞写真に私もちょっと写ってた。若いし、まじめにスーツ着ていた。


沖縄ではピーク年齢の中核群は、MTFは6000人に一人、FTMは600人に一人。


13:00‐13:30  
【理事長講演】
性同一性障害に関する社会的課題と学会としての対応』
演者:中塚幹也(GID学会理事長、岡山大学大学院 保健学研究科)


大島先生に振られて、急きょ質問3つした。
その後エンジンがかかる。


13:30‐14:30  
【特別講演 1】
『Lost in Transition: trans people, recognition, pathology and rights』
座長:東優子(大阪府立大学 地域保健学域教育福祉学類)
演者:Sam Winter(香港大学/大阪府立大学 ゲストプロフェッサー)


世界的にはヘイトクライムで殺されるTS多数。
セックスワーカー多数、HIV陽性多数。
精神疾患であることでさらにスティグマ化・・


といった感じだったが、正直、日本の方が住みやすいので、欧米のようにあえて脱病理化を目指す必要性がピンと来にくかった。
懇親会では、そのあたりも議論した。

  
14:40‐16:10  
【シンポジウム 1】   
『医療ツーリズム』
座長:小澤寛樹(長崎大学大学院 精神神経科学 )
    山口悟(ナグモクリニック名古屋/GIDセンター)
演者:小澤寛樹(長崎大学大学院 精神神経科学 )
    難波祐三郎(岡山大学病院/ジェンダーセンター)

タイに見学にいった。
タイでの術後トラブルへの対応は術式も分からず困難なことも多い。だが大学病院としてできるだけ対応していきたい。
タイには金もうけ主義の病院もある。



    Kamol Pansritum(Kamol Cosmetic Hospital)


日本の患者はまじめでちゃんと準備もしていて、すばらしい。
AJ:偽診断書を出す人もいると聞いたが…
Kamol:最近はない。


    横須賀武彦(タイランドSRSガイドセンター/?ジェイ・ウェップ・クリエーション)
http://tcmg.blog70.fc2.com/blog-entry-665.html
アテンド会社によっては、日本語能力すら不自由な人もいる…。
タイで働く資格を持っていないな場合も多い・・。
会場:良い業者と悪い業者の見分け方は?:
横:値段が高すぎるのも、安すぎるのも・・真ん中の値段がよい。


16:20‐17:50  
【シンポジウム 2】
性同一性障害の疫学と医療人類学』
座長:齋藤利和(札幌医科大学医学部 神経精神医学講座)
    山本和儀(山本クリニック)
演者:佐藤俊樹(さとうクリニック)


日本精神神経学会での統計。2012年末まで、18施設の調査で3002通の戸籍診断書を把握。
その施設でFTM、9610名。MTF、5729名。
そこから推定。日本の受診者、17751名?
SRSの国内例は42%。


    池田官司(北海道文教大学 人間科学部 作業療法学科)

ピークで、MTF 3380人に一人(1985生まれ)、FTM 1471人に一人(1987生まれ)


AJ:去年の新聞報道のように、ピークを全人口に当てはめるのは疑問。
1987は金八効果?


    山本和儀(山本クリニック)


    中村かれん(エール大学大学院 文化人類学部)
沖縄でFTMが多い理由を様々な角度から考察。
沖縄の精神科医は2人とも見た目もそっくりで男性的…



AJ:MTFは本土に移っている、というのは疑問。本土でも沖縄出身者はFTMが多い。
植民地効果とは。
かれん:男性性が抑圧される。
AJ:それならMTFが増えるのでは?
かれん:父の男性性が抑圧され、その子供は父を見て・・結果FTM になるのかも・・


沖縄問題の謎は深まるばかりだが面白かった。
誰かが「鹿児島で調べれば、本土と沖縄の中間のデータにならないか?」と言っていたが、それは違うと思う。沖縄はやはり独特だと思う。
むしろ台湾のデータが知りたいところ。


夜、懇親会。
Winter先生とGIDの名称概念変更問題について議論したり。
二次会、次の日があるので12時でまじめに帰った。