第14回GID学会 1日目

印象的な発表だけメモ、感想書きました。

http://gid-14th-okayama.kenkyuukai.jp/information/index.asp?



1.性別違和における,性同一性の自我同一性への統合という視点

松永千秋 日野病院精神科

2. 性別違和を訴える者の3年後の臨床経過

針間克己 はりまメンタルクリニック

http://d.hatena.ne.jp/annojo/20120315

3. 性同一性障害当事者の心理社会的困難の分析に向けて

池田官司 北海道文教大学人間科学部作業療法学科


指定発言:被災地から「震災から1年」


1. 震災から1年 被災地 いわきからのメッセージ

中嶋 明 一般社団法人gid.jp 日本性同一性障害と友に生きる人々の会 南東北支部


島田さん監督。
http://akaboshi07.blog44.fc2.com/
声は沖縄のアナウンサー、山本ひとみさん。
http://yamahito.ti-da.net/e3853003.html
山本さんとはその後懇親会で久しぶりのご挨拶ができ嬉しかったです。


のぐち形成外科クリニック(いわき市)ではホルモンをしている。
http://www.noguchi-keisei.com/


2. 性と人権ネットワークESTOからの報告
? 「宮城県における被災者支援活動の報告」

真木柾鷹 性と人権ネットワークESTO
?東日本大震災におけるセクシュアルマイノリティの被災状況およびニーズ・課題に関する調査
GIDの事例―
内田有美 性と人権ネットワークESTO,宮城学院女子大学大学院人文学会


一般演題2 口演


1. GID当事者の「ふるまい」と教師の「気づき」の限界−当事者と学校・医療の連携の課題−

本渡 葵 広島大学大学院 教育学研究科


ステロタイプの当事者像は、違和感を表現する思春期だが、実際には周りにあわせて、典型的な女の子らしくふるまうこともあると。
「それに気づくのは大切だが、気付いて介入することは、せっかく隠して過ごしている当事者の不安を強めるリスクもあるのでは」と質問したかったが、東先生にあててもらえず。
その後フロアで、演者で意見交換できた。


2. Female To Male (FTM)が経験する生活上の問題の内容

安藤孟梓 北海道医療大学大学院 心理科学研究科


どんな問題があるか具体的に分析。



3. MTFの語る社会のなかでの性別移行プロセス ―当事者性カミングアウト体験の視点から―

西野明樹 目白大学大学院 心理学研究科臨床心理学専攻


一般演題4 口演

1. 長崎大学病院性同一性障害外来受診継続者の特徴について

越本莉香 長崎大学病院 精神神経科


MTFの逸脱例では、治療継続が多いという話が謎だった。
つまり、逸脱例ということはホルモンを自己判断でしているということだが、SRSをしない長崎大で、治療継続の動機が不明。


2. さとうクリニック通院症例の治療転帰について

佐藤俊樹 さとうクリニック


越本先生、佐藤先生両方の、発表で思ったのだが、
「中断」「継続」「終了」の分け方が、ピンとこなかった。
つまり、いったん「中断」した人が、ホルモンやSRSの決意を固めてひょっこり受診するのはよくあることだし、
「終了」した、戸籍変更済みの人が「それでもやはり・・」という感じで再受診することもあるので。
また「中断」が何かネガティブなトーンで語られるのも気になった。
どうせ、統計とるなら、治療段階別の転帰を知りたかった。
つまり、精神療法や、ホルモンで、どれくらいの人が満足して「終了」するのか、
あるいはSRSをしても、継続するひとがどれくらいいるのか。


3. 性別違和感をもつ方への精神的サポートを考える 〜来院時の不安と抑うつの評価をもとに〜

矢野里佳 福岡大学医学部 精神医学教室


特にMTFでは、不安と抑うつの得点が高いと。
まあ、確かにそうだと思うが、治療経過でどう得点が変化するかが知りたい。


4. 性同一性障害当事者の感じているストレス状況について

堀内真希子 岡山大学病院 医療技術部


山陽新聞で紹介された発表。
たぶん、最近の一番強いストレスをあげて、その種類を分けたもので、合計で100%になる。
しかし実際には、複数のストレスを同時に受けるので、複数回答ありで、合計で100%を超えてもいいようにしないとおかしいのでは。
でないと、「性別にストレスを感じていない性同一性障害」などという変なことになってしまう。



ワークショップ1:ボイストレーニング
外にいてよく聞いてなかったが。
「ワークショップ」というからには、実際の発声練習とかするのかと思ったら、研究発表3題で、「ワークショップ」としては、ややおかしいのでは、と思った。


シンポジウム1:手術療法

1. ナグモクリニックにおけるGID外科療法に対する取り組み

山口 悟 ナグモクリニック名古屋GIDセンター

SRS、FTM182例、MTF130例
MTFの外陰部形成が、若者バージョンと年長者バージョンがあるという話が印象的だった。



2. SRS術後の下肢筋・神経障害を規定する因子の検討

舛森直哉 札幌医科大学 泌尿器科


足の固定の仕方が、「レッグホルダー」だと安全だが、「レビテータ」だとリスクがあるらしい。


3. 当科におけるGIDの外科療法の手術を取り巻く現状について

百澤 明 埼玉医科大学 総合医療センター 形成外科・美容外科


2008年再開後、
乳房切除30例(75万円)、尿道延長1例、MTFSRS5例(175万)


ところで百澤先生は4月から、山梨大学医学部形成外科教室に栄転されるようだが、
今後の埼玉医大はどうなるだろうか?
再び中止?
http://ameblo.jp/momosawa-a


4. FtMに対する尿道延長術・陰茎形成術後の尿路合併症についての検討

杉本盛人 岡山大学 泌尿器科


尿道延長11/82、陰茎形成13/26で、尿路合併症発生。
この4年では2/45と、治療成績向上。



5. 我々の行っている尿道・陰茎再建術

関 征央 東京大学医学部附属病院 形成外科・美容外科


「陰茎のかまれた」症例が気になった。誰がかんだのだろう。


Refinement of management in the gender identity disorder patients
特別講演:韓国における性同一性障害を取り巻く現状
〜手術法,保険適用,法律〜


途中、外見ノンパスのMTF(男性の顔)にSRSをしていたのが気になった。
100本ペニス形成をして新聞記事になった、と。
保険と法律の話はなかった。


質問で、会場から2人つづけて、ハングル語で質問がでたのには、会場もどよめいた。


懇親会
200人くらい。
盛り上がりました。


二次会
20人くらい。
精神科医の先生たちと日頃話せないようなことをじっくり話し込めるのが、楽しみです。
精神科医でない先生たちと、10年前にも話したようなことを、再び話すのも楽しみです。